14 共感同感 ページ15
「はいはーい、呼ばれて飛び出たたーいらちゃんでーす。」
(・・・視線が痛い。)
明らかに睨んでいる轟くんと目を真ん丸にしている緑谷に同時に見られるけれど私は屈せず笑みをたやさない。
「・・・盗み聞きするんだな。」
「そりゃァしますとも！私だって人間だからねェ。
いや、でも偶々なんだよ？私ほ、ん、と、に偶然二人が。仲良くない二人が二人で入っていくのを見かけたから面白そうだなって。」
「いや、でも盗み聞きは」
「気づかなかったそっちが悪い！」
ビシリ、と指差すと轟くんは溜め息とともに
「まぁそうだな。」
「え！？」
「流石轟くん、話がわかるねェ。」
轟くんが顔をこちらに向ける。日光が彼の顔を照らす。
焦げたような、爛れたような半分を。
「どこまで聞いてた？」
「左側はお母様にやられたのです。」
「言ってないぞ。」
「そだねェ。あ、でもここだけだよ？聞いちゃったよーってなってまァやめてあげようと去ろうとしたわけだし。そこから後の会話は聞こうとしてないから。」
「そうか。」
「私も轟くんに聞きたいことがあるんだけど、よりにもよってなんでその話の相手が緑谷？」
えっと、と戸惑う緑谷はほうっておく。私は轟くんに聞いているのだから。
「緑谷を倒したいから、駄目か？」
「理由言われてないけどいいや。あともう一つ、轟くんのそれを虐待としまして！」
「ちょ、平さん！？」
「はい外野は黙る黙る。轟くんはご両親が嫌い？」
此れは、此れは私が聞きたいことだ。心の底から聞きたいことだ。
親から傷つけられた彼に聞きたいことが。
「・・・親父は。」
「何で？」
絞り出したような轟くんの声が聞こえているのに、私は質問をやめられない。
あまりいい思いはしてないとわかっているのに、私はやめてあげない。
「何で嫌いになるの？」
「あいつがいたからこうなったんだ。」
「・・・そっか、ごめん全く理解できなかった。共感も同感もできなかったし同情もできなかった。」
轟くんが目を見開いた。わけがわからないという顔で。彼のこんな顔を見るのは割と初めてな気がする。
「半分が憎いなら半分は愛してるんでしょ？愛されてるのに、なんで嫌いになるの？無視されたわけでもないのに。
お父さんが嫌いってことは暴力でも振るわれてたのかもしれないけれどそれも愛情表現の一つじゃない？」
殴られても蹴られても罵声を浴びせられたとしても。
私は未だに父と母を愛してる、殺してしまうくらい
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アヤ(プロフ) - 椿さん» ありがとうございます！そろそろ職場体験編に入りますのでご期待ください！ (2018年3月12日 23時) (
レス) id: aea21ba90e (このIDを非表示/違反報告)
椿 - この作品大好きです！いつも楽しみにしています。頑張ってください！ (2018年3月12日 19時) (レス) id: 9b14fd56ac (このIDを非表示/違反報告)
アヤ(プロフ) - dtabosuさん» ありがとうございます！頑張らせてもらいます！ (2018年3月3日 23時) (レス) id: aea21ba90e (このIDを非表示/違反報告)
dtabosu(プロフ) - とても面白いです！更新楽しみにしてます！頑張ってください(´▽｀*) (2018年3月3日 16時) (レス) id: c216431e1a (このIDを非表示/違反報告)
アヤ(プロフ) - 瑞稀さん» ありがとうございます！夢主の性格が気に入っていただけるのは本当にありがたいです。こんなブラックな夢主ですがこれからもよろしくお願いします！ (2018年3月3日 11時) (レス) id: aea21ba90e (このIDを非表示/違反報告)
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