diamond国―破れたページ編― ページ41
ピノメリアさんは私に、この国を案内してくれた。
最後に訪れたのは、国の中心にそびえ立つ
『城』だった。
『ここは私達の家よ。建てられてからもう何百年も経つの。でもほら、綺麗でしょう?』
ピノメリアさんは城の壁を撫でそう言った。
…確かに、ピノメリアさんの言う通り
何百年も経っているにも関わらず、壁にはヒビ一つ入っていない。
『何百年…ですか。』
私がそう呟くと、ピノメリアさんは
『ええ……あっ、私書類片付けなくちゃいけないんだったわ。ごめんなさいねメルー。…ゆっくりしていってね。』
ピノメリアさんは困ったように微笑み手をひらひらと振った。
メルー。ピノメリアさんは私のことをそう呼ぶようになっていた。
『いえ!ありがとうございました!』
私がそう言うと、ピノメリアさんは満足そうな顔で城の中へと入っていった。
『さて、どうしようかな、どこに泊まらせてもらうか。』
私はそんなピノメリアさんを見送ると、そう呟いた。
『…さっき案内してもらったとこでいっか。』
私は体をくるりと後ろに向けて、さっきまでピノメリアさんと歩いていた方向に歩いた。
私はピノメリアさんに教えてもらった宿に泊まることにした。
看板は埃にまみれてよく読めないほどだったが、中は綺麗だ。
私は<蒼の間>に通され、そこで眠りについた。
夢に、二人の少年が出てきた。
緑の髪を肩辺りまで伸ばし、前髪はオレンジ色のピンでとめられている。
男にしては長いその髪は、一人は高く、もう一人は下の方で、一つに縛られていた。
二人は兄弟なのだろう。とても似た顔をしている。
低く髪を結んだ少年が、ゆっくりと口を開いた。
『やぁこんばんはお姉さん。久しぶりですね。…あのときと、なにも変わりませんね。』
私にそう言った。
だが、私は彼らと会った覚えはない。
すると高く髪を結んだ少年も、口を開いた。
『お久しぶり。へぇ、こんな感じの人だったんだね〜!可愛い人でよかったよ!』
私は困惑して、彼らを見つめた。
彼らはそんな私を見てこう言った。
『お姉さんにお願いがあるんです。僕らを…
僕らの国があった証拠を、見つけていただきたいのです。』
『ボクらはとある国にいたんだけど…隣国のメイドに×されたんだ。
そのあと国民は後を追うように、みんな、みーんな自×しちゃったの。』
『僕らの国は、この国に上書きされました。お姉さんはきっと…僕らのことを助けてくれる。』
『『破れた“僕(ボク)ら”(ぺージ)を…探してください』』
6人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
あや(プロフ) - 百亜さん» なにがかな?() (2018年5月29日 18時) (レス) id: be165192c8 (このIDを非表示/違反報告)
百亜 - あっ、あっ、、ああああ、なんかフラグ← (2018年5月29日 17時) (レス) id: f7d2a26b19 (このIDを非表示/違反報告)
あや(プロフ) - ^._.^さん» うぇええええあぁぁぁぁありがとうございます!!!!! (2018年5月26日 19時) (レス) id: be165192c8 (このIDを非表示/違反報告)
^._.^ - イメージして貰えたことを知ってるって事ですね、僕だったらすごく嬉しくなると思います!…お言葉に甘えて質問させていただきますね^^ (2018年5月26日 19時) (レス) id: f34247d7f4 (このIDを非表示/違反報告)
あや(プロフ) - ^._.^さん» こちらこそコメントありがとうございます!!!許可をもらったりとかはちゃんとしてあります(聞いてない) キャラクターに質問とかあったら、是非、続編へのリンクのところからきてみてください!! (2018年5月26日 18時) (レス) id: be165192c8 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:夢幻 錏鵺 x他1人 | 作成日時:2018年4月1日 12時