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diamond国〜絵本編〜 ページ32

『…めでたしめでたし』

ユティメノは一冊の本を読み終えると、表紙を撫でるようにして閉じた。
『ねえねえ、なんでシキャッドの目は治ってたの?実際には、シスフェットは花を食べてないんでしょ?』
クロウェールは頬杖をつきながら首を傾げ、ユティメノの尋ねた。

『さぁ…。ですがこれはフィクション。
作られた物語です。作者も、細かいところまでは見ていないのかもしれませんね。』

ユティメノはクロウェールに目線を合わせそう言った。
『ふーん。まぁそれは良いとして、だ。目線を合わせるな!』
『何故です…。背の小さいクロウェール様を思っての…』
『余計なお世話だっつーの!』
女騎士ユティメノと、ユティメノが仕えている者の弟のクロウェ
こういった口論は珍しいことではなく、この屋敷にいれば、毎日のように聞こえてくる。
慣れてくると、BGMとも思えるほど、当たり前のことだった。
『あらあら、今日はどうしたの?』
突然部屋のドアが開かれた、と思ったら、
ユティメノの主人、ピノメリアが現れた。
『ピノメリア様。聞いてください、クロウェール様が私の親切を…』
『姉ちゃん。聞いてよ、ユティメノが俺のことをバカにしてくるんだ』

二人はほぼ同時に話し始める。
ピノメリアは聖徳太子ではないので、聞き取れるわけがない。
『うんうん、ユティメノから話してみて?』
優しげな口調でそういうと、ユティメノは
『私はクロウェール様と目線を合わせてお話しただけです』
『なるほどね、はい。じゃあ次クロウェ』
『ユティメノは俺が身長が低いの気にしてるの知ってて目線を合わせたんだ。』
『そんなの低い方が悪いんですよ』
『あ”ーん!?』
ピノメリアのおかげで静かになっていた部屋に、また口論の声が響く。
『ストップストップ。まったく…。』
ピノメリアが呆れたように言うと、
“ユティメノ
  が悪い(です)よね!?
クロウェール様 ”

と、同時に言った。
それを見たピノメリアは、
『二人とも、本当は仲いいんでしょ。』
ふふっ、と笑ってみせる。

『仲良くない(です)!!』

と、また二人の声が重なる。

ピノメリアはそれを見て、
ふふふ、と微笑んでいた

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設定タグ:オリジナル , 宝石 , 長編   
作品ジャンル:ファンタジー, オリジナル作品
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あや(プロフ) - 百亜さん» なにがかな?() (2018年5月29日 18時) (レス) id: be165192c8 (このIDを非表示/違反報告)
百亜 - あっ、あっ、、ああああ、なんかフラグ← (2018年5月29日 17時) (レス) id: f7d2a26b19 (このIDを非表示/違反報告)
あや(プロフ) - ^._.^さん» うぇええええあぁぁぁぁありがとうございます!!!!! (2018年5月26日 19時) (レス) id: be165192c8 (このIDを非表示/違反報告)
^._.^ - イメージして貰えたことを知ってるって事ですね、僕だったらすごく嬉しくなると思います!…お言葉に甘えて質問させていただきますね^^ (2018年5月26日 19時) (レス) id: f34247d7f4 (このIDを非表示/違反報告)
あや(プロフ) - ^._.^さん» こちらこそコメントありがとうございます!!!許可をもらったりとかはちゃんとしてあります(聞いてない) キャラクターに質問とかあったら、是非、続編へのリンクのところからきてみてください!! (2018年5月26日 18時) (レス) id: be165192c8 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:夢幻 錏鵺 x他1人 | 作成日時:2018年4月1日 12時

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