Bijoux＿histoire

始まりの旅人 ページ1

『ふえぇ…疲れた〜…。ほんっとうに旅人の多い国ね！空いてる宿がないじゃない！』
空色の長い髪を一つに束ねながら旅人は言った。
この国へ旅に来たはいいものの、泊まる場所がない。他にも観光に来た旅人がたくさんいるからだ。
『うー…あ！そこのおねーさーん！』
旅人はダイヤモンドのように輝く髪を持つ騎士に話しかけた。
騎士は一瞬驚き目を見開いたものの、すぐに
『どうかしました？』と尋ねた
旅人は
『この辺で、人があまり寄らない宿とかない？』
と、バックの中にぎゅうぎゅうに詰められためろんぱんを一つ取り、めろんぱんの袋を開け、食べながら聞いた。すると騎士は
『それならあっちにある宿なんて良いかも知れませんね』
と、闇に包まれた一本道を指差した
旅人は、怖いとも怪しいとも思わず
『ありがとう！お礼に、はいっ、これ！』
と言って、騎士に何かを渡し、闇へと消えていった。
騎士は闇へと消えていく旅人の背中を見たあと、
もらったものを見つめて言った。

『…めろんぱんどんだけ入ってるんでしょう…』

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