◇呼び込み係 ページ1
*
文化祭当日。
校門にはすでに保護者の方や他校から来た子が集まっている。
私たちは衣装に着替えてヘアセットをするために早めに学校に来た。
女の子も男の子も気合が入っていてキラキラしてる。
「完成!」
「めっちゃかわいい〜」
『うわすごい…ありがとう!』
私もクラスの女の子たちに髪の毛を巻いてもらった。
最後にリボンをつけたら、ちょっとはアリスっぽく見えるかな。
先に着替え終わって待機していた2人の元に向かうと、風雅は3月ウサギ、こたちゃんはマッドハッター、どっちも不思議の国のアリスに登場するキャラクターの衣装を着ていた。
衣装には2人がダンス部で担当しているカラーが入っていて、家庭科部のデザインの細かさがよくわかる。
それにしても、2人ともスタイル良いなあ。
似合いすぎていて隣に並びたくないな。
大西「なにしてるんA」
岡崎「ほら行くで」
『う、うん』
校門が開いたのと同時に呼び込み係の私たちは教室を出た。
「あ、風雅くん!」
「彪太郎くんもいる!!」
早速女の子たちに囲まれる2人。
「写真撮って〜!」
「私も〜!」
大西「いいけど、俺らのクラスの喫茶店絶対来てな?」
「え〜いいけど、2人とも呼び込み係じゃん」
「2人がいないなら行きたくないな〜」
岡崎「そんなん言われても俺ら呼び込み係やし」
「じゃあ教室まで連れて行ってよ!」
そういう女の子たちは確か隣のクラスだった気がする。
「Aさんもいるんやし、ちょっとぐらい2人がいなくなっても大丈夫でしょ」
「ね、Aさん?」
『え、、、うん大丈夫やと思う!』
「ほらAさんもそう言ってるんやし」
岡崎「えA?」
大西「おい、俺らのこと売るなよ!」
「売るって酷いなあ!」
「ほら行こ行こ」
無言の圧力をかけられてそう言うしかなくて女の子たちに連れていかれる2人を見送った。
心の中で2人に謝罪する。
こたちゃん、風雅ごめん、、
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にしたくファン - 初めまして続き待ってます。よろしくお願いします (2023年3月4日 9時) (レス) @page8 id: 25da82024a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:おいなり | 作成日時:2022年10月23日 16時