◇番外編１‐２ ページ48
＊
暖かいものに包まれている感覚で目を覚ますと目の前には誰かの胸板があった。
大西「やっと起きた？」
『え？風雅？』
私は風雅の腕の中で眠っていた。
…でもなんで、？
寝起きの頭を必死に働かせる。
風雅に電話をかけてすぐ、家が近いから来るのに時間はかからないだろうと鍵を開けに行ってそのまま玄関で風雅を待っていたところまでは覚えている。
大西「覚えてないん？」
『うん、ごめん』
風雅によると、私は玄関に座りこんで壁にもたれ掛かるように寝てしまっていたらしい。
『それで私の部屋まで運んでくれたんや。』
大西「めっちゃ重かったからな？」
『う、、ごめん』
大西「冗談やって笑笑」
『…でもなんで風雅が私の横で寝てるん？』
大西「Aのこと運んでから俺も眠くなって寝てもうたわ」
「なんか食べる？」そう言ってベッドから起き上がって買い物袋の方に歩いていく。
風雅に言われて初めて自分がお腹が空いていることに気づいた。
そういえば注射してから何も食べていない。
『食べたい、』
大西「なになら食べれる？
ゼリーもあるし、アイスもあるし
Aが好きなうどんも買ってきたで」
そう言って袋をあさる風雅の姿を見ていると、その優しさが今の一時的に弱っている心に沁みて涙が出そうになる。熱が出た日ってなんでこんなに弱くなるんやろ。
『やっぱなんもいらん
ずっとここにおってほしい』
さっきは何か食べたいって言ったくせにいらないなんて言ったりして、なんてわがままなんだろう。
普段だったら絶対こんなこと言わないのに、風雅がうどんを作りに部屋を出ようとした瞬間、急に寂しくなって自然とそんなことを言っていた。
絶対元気になったら後悔するやつや。
風雅にからかわれるやろうなあ。
そう思うと風雅の反応を見るのが怖くなって布団を顔まで引き上げた。
大西「わかった、ここおったるわ」
恐る恐る顔を見ると優しく微笑む風雅がいた。
風雅はうどんを袋に戻すと、ベッドのそばに腰を下ろした。
『…手』
私が手を差し出すと、優しく握り返してくれる。
ここまできたら今日はとことん甘えさせてもらおう。
全部副作用のせいにして。
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endores hinata(プロフ) - このお話好きです！！！リトかんみんなに好かれるなんて嬉しい世界線ですね！！！！！ (2022年6月8日 18時) (
レス) @page29 id: f5304c49f2 (このIDを非表示/違反報告)
アヤネ(プロフ) - みーこさん» わわ！コメントありがとうございます😭とっても嬉しいです。更新滞り気味ですが頑張ります！ (2022年6月5日 23時) (レス) id: 6efda6cf4e (このIDを非表示/違反報告)
みーこ(プロフ) - めっちゃ面白いです🥰 続き楽しみにしていますっ！ (2022年4月7日 21時) (レス) @page23 id: 6ddb53715e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おいなり | 作成日時：2022年3月3日 21時
