小児科医の日課〜研修医、平野紫耀の経験記録〜【伍】 (ページ39)

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数か月後

『待って待って待って！！』

響『なんだよー、早く見ちゃえばいいじゃん』

『いや、そうだけど！…怖いんだよ、、見るのが』

響『大丈夫だって、ずっとやってきたんだろ？絶対伸びてるに決まってるって』

『でも…』

ついに高校三年生、あと少しもすれば勉強詰めの地獄の夏休みといったところの今日。

本当はスタバか学校の空き教室かで響煌と俺とでマンツーマンの勉強会をしようと思ったんだけど、

今日はママのお見舞いに行きたいからって無理言って病院の端っこの小さな一角にいる。

今日は先月受けた三年生になって初めての模試の結果が開示された日。

手の中にあるスマホの一部分をタップすればすぐに見れる状態にしてある。

どうやら、俺だけじゃなく、響煌にも用があるみたいで。

響『なんでそんなに怖がるんだよ、ただの模試じゃん？まだ本番じゃないんだからさ、練習よ、練習』

なんでこいつはこんなに余裕かましてるのか…。

点数も気になるけど、判定がね。

担任の先生に言われてから、嫌になったらやめればいいかなってなんやかんや言って医学部志望ってことになっちゃったけど、

絶対E判定だろ！！

いざ模試に向けて志望校登録するときも尋常じゃないくらい手震えたし、多分、今の自分絶対に医学部なんて到底受かるような実力ないですし！？

『逆になんでお前はそんな余裕なんだ…』

響『俺はもう結果も見てるし、刺すんだったら早めに刺してほしいタイプの人だからな』

はぁぁぁ！もう！怖い～！
結果は分かってる！分かってるけども！、

どうしても現実を目の当たりにしたくない自分がいる。

響『もう、仕方ねぇな、貸せ』

『おい！ちょ、バカ』

気が付いたら俺のスマホは響煌の手の中にあって、俺の緊張なんて一ミリも考えずに画面をタップしていた。

響『はいどーぞ』

『お前マジっ……』

スマホをそのまま差し出してきたから数字やらアルファベットやらが一気に目に飛び込んでくる。

現実と向き合わないと…。

響『俺はまだ見てないから、そこは心配すんなよ。

でも、ガチめに紫耀頑張ってたんだし、少しくらいは上がってるんじゃないの？』

響『おーい、紫耀？紫耀さん？』

結果があまりにもすぎて口が変に開いたまんま。

『やばい、どうしよ…』

響『ん？ちょい見してみ？』

見せるというよりかは勝手に見るような感じで、また手の中からスマホが消えてった。