小児科医の日課〜研修医、平野紫耀の経験記録〜【伍】 (ページ34)

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響『お、来た来た』

『ごめん、待った？』

いつもは10分も歩けば着くファミマに、今日は20分もかかった。

お陰で自転車で30分もかかる響煌を待たせてしまった。

響『今着いたところだよ』

そう言いつつも、響煌の右手にはファミマの袋があった。

絶対今着いてないやん。絶対中でなんか買ってきたやん。

そして、いつもはメガネかけてるのに今日は裸眼。

響『とりあえず紫耀が好きそうなもの買ってきたんだけどさー、食べたいのある？』

『食べたいもの〜？ぬれおかきあれば十分だけど…』

ファミマの袋の中を漁るとおにぎりとかルイボスティーとかぬれおかきが入ってた。

分かってんなー、こいつ。俺の好みちゃんと理解してる(笑)

だけど、明らかに中身が少ない。

『え、響煌のは？』

響『ん？買ってないよ』

『俺のだけ？お前のは？』

響『いや、別に紫耀のだけでいいかなーって。俺腹減ってないし』

『なんだよ笑！響煌のも入ってんならって思ったけど…はい』

財布から1000円札を出して響煌の手に乗せた。

響『えぇ！いらないよ！』

『いいから受け取ってくれ笑！縁の切れ目が金の切れ目って言うだろ！』

響『いや、金の切れ目が縁の切れ目な。奢ったつもりだからいいって！』

なぜか逃げるからそれを追いかける。もうなんなんだよ！！

『いやいやいや、前にもそうやってスタバで奢ってもらってんだからさ！お前の財布どこだ！！』

着ているジャケットのポケットに手を突っ込むと高そうな財布が入っていた。

響『あーもう、分かった！分かりました！受け取るから！じゃあ、その代わりに、条件な』

『なによ？』

響『俺の目の前で全部袋の中の物全部食べること。あとは……』

『えぇ…まだあんの？』

響『俺が今からする質問にはちゃんと全部答えること』

いや、意味わからんな。

『まぁ、いいよ？』

響『じゃあ、どうぞお食べ下さい。1000円も頂きましたし、それはもうあなたのものです』

『はぁ…では、いただきます』

響煌が財布に1000円をしまったのも確認できたところで、適当にとったルイボスティーを開けた。

なんかキャップ固いな…(笑)

響『昨日は何時に寝たの？』

『は？』

響『質問には答えろ。1000円返そうか？』

『…12時過ぎかな？』

響『じゃあ今日は何時起き？』

『7時』

響『学校に着いたのはいつ？』

『え、ねぇこれほんとになんの質問？』