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一旦、大きな症状が落ち着いた、という解釈になって、ベッドの周りを囲んでいた看護師達はいなくなった。
もちろん、何かあった時はすぐに来て貰えるようにはしてる。
だけど……、、
抗生物質を投与して、酸素投与料も極力上げて対応はしたものの、体温は大して下がらず、脈も120前後を行き来している。
できることはほぼすべてした、、あとは薬が効くのを待つしか…
「おれ……、どうなっちゃうんですか…」
ふと、平野さんがそう呟いた。
玉「…今は、体が少し疲れて、熱が出ているだけですから。いずれ、すぐに良くなります」
とりあえず、こうして話せる状態にはなってるから良いのかな…？
俺がICUに到着してから、すでに1時間半以上が経過していて、症状は治まってきたものの、一時も目が離せないようなそんな状態。
多分、今日は徹夜で平野さんのお供をさせて頂くことになるだろう。
玉「体温計外しますね」
示された数字は30分前とあまり変わらず38.2℃。
酸素流量も10Lのままだし、荒い呼吸を繰り返しているのにも変わりは無い。
出来れば解熱剤でも何でも追加したいところだけど、さっき強めの抗生物質を入れてちゃったからな…。
「はぁ〜、マジで死ぬかと思いました(笑)」
唐突に、そう笑って呟いた平野さん。
玉「もー、縁起でもないこと言わないで下さいよー」
「でも、敗血症だから入院期間また…｣
＿＿＿＿！
突然、会話が途切れて音もなく、平野さんの体がベッドに沈んだ。
そして、甲高い機械音をけたたましく鳴らすモニター。
一瞬、何が起こったのか分からなかった。
「平野さん、平野さん！？」
突然のことに驚きつつも、肩を叩いてみても反応はなし。
まさかと思って口元に顔を近づけてみると…、
玉「えっ…」
呼吸、してない…？
部屋中にうるさいほどに鳴り響くアラーム音にどんどん胸の鼓動を早くなる。
弾かれたように、反射的にナースコールを押した。
看「どうされましたか？」
玉「内科の玉森です。20代ICU患者の男性、呼吸停止。脈は120から下がってきてます。血圧上は60、下は測れません。救命科の先生お願いします」
看「はい」
今日はまだ他の先生方がまだ残ってる時間帯だったからラッキーだった。
先生を待っている間、悠長に待ってなんかいられない。
口元を覆っている酸素マスクを外して、挿管チューブを手に取った。
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作者名：わんちゃん | 作者ホームページ：http://commu.nosv.org/p/ayanes0328
作成日時：2023年12月19日 18時
