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日森『SPO2 87、血圧100切ってます』
日森がモニターを見てそう呟いた。
玉｢分かった。ありがとう｣
手袋をはめてベッド脇に近寄ると、呼吸苦が起きていてかなり苦しそうな状態の平野さんがいた。
意識はない状態で、目を閉じて、浅い呼吸を繰り返す。
聴診器を胸に当ててみれば雑音と喘鳴が嫌というほど聞こえてくる。
あと……胸骨と肋骨合わせて何本か折れてる。この後神代にお説教しとかないと。
数値でも、見てもわかる。多分俺が来るまでの間、相当苦しかったはず。
脈拍は160と異常に早い割に血圧も低くて呼吸困難気味、考えるに肺炎球菌が増加して炎症を起こして敗血症を起こしてる可能性が高い。
玉｢平野さん、玉森です。採血しますね、腕触りますよ｣
ベッド脇に寄って採血用の針に手を伸ばしつつ、声をかけては見るものの反応がないも同然。
先端の尖った鋭い針を見つめながら、一体俺には何ができるんだろうと考えた。
もし敗血症を起こしているとしても起こしていないとしても俺にできることというのは限られていて。
治療法はこの世に数え切れないほどあるし、病気や疾患もそれと等しいかそれ以上にたくさんある。
今は平野さんの体内で敗血症ショックが起こらないようにすること、多臓器不全に繋がらないようにすること。
これが今の俺ができる最大限のこと、か。
玉「…！平野さん？平野さんっ！？」
針を腕に近づけた瞬間、何かが俺の白衣を触り、顔を上げるとうっすらと平野さんの目が開いていた。
採血なんかそっちのけで平野さんの顔を覗き込む。
「玉森…先生…」
酸素マスクに覆われた口元がゆっくりと動いて初めて俺の名前を呼んだ。
＿＿＿＿
本日も見ていただき、ありがとうございます。
テストのため、2週間ほどお休みをいただきましたが、テストが終了したため、本日から更新再開させていただきます。
勝手な事情により、更新が途絶えてしまって申し訳ありませんでした。
余談にはなりますが、テストが行われている期間中にコロナに感染してしまい、受けられませんでした。
また、コロナの自宅療養期間が終わったものの、まだ体調が万全というわけではないので、予告無く更新を休む場合があるかもしれませんが、どうかご理解頂ければと思います。
今後ともよろしくお願いします。
p.s.更新時間、かなり遅くなってしまいました。ごめんなさい。
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作者名：わんちゃん | 作者ホームページ：http://commu.nosv.org/p/ayanes0328
作成日時：2023年12月19日 18時
