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紫耀Side
看「解熱剤、もう一度入れましょうか」
看護師さんが体温計を見つめてそう呟いた。
「はい…。お願いします…」
ため息をついて、看護師さんがなんとも言えない悲しげな表情で注射器を取り出すのを目にしながらスウェットの袖を捲る。
看「消毒しますね」
消毒されて間も置かずに鋭い痛みが腕からじんわりと入ってきた。
痛いって顔するの申し訳ないな、なんて勝手に遠慮しながら注射薬が入っていくのを見た。
多分今日注射されるの3回目ぐらい。
ここ最近、点滴はほぼ毎日のようにされるから慣れたけど注射に関しては注射薬が入ってくる時の痛さがどうしても慣れない。
針抜かれた後も地味に痛み残るし。
看｢お疲れ様でした。何かあったらナースコールで呼んでくださいね｣
｢はーい__｣
よほど忙しいのか、看護師さんは振り返りもせずにスタスタと足音を立てていなくなった。
｢はぁ〜…｣
捲っていた袖を下ろして、さっきまで注射針が刺さっていた箇所を擦る。
やっぱりまだ少し痛いな…。
インフルとかの予防注射ではないから少し経てば治まると思うけど。
｢なんか疲れた〜｣
反射的にそう呟いてベッドに勢い任せに身を預けた。
神｢うんうん、分かる分かる。俺も疲れたわ〜｣
｢やっぱそうなるの俺だけじゃないよね〜、もう現実疲れたから早く寝たい………え？｣
｢え"ぇ！？｣
神｢よっ！調子どうよ？｣
隣を見れば白衣を身にまとったジンがいた。
｢なんでいんの…？｣
驚きのあまり不審者を見つめるような目でジンの顔を凝視する。
神｢なんでって、そりゃ来たからよ？｣
｢もう〜!!｣
力任せにジンの腕をバシバシ叩くと“痛い！笑”と笑いをこぼした。
神｢何？なんですか？叩かなくてもいいじゃん(笑)｣
｢お前さ〜、入るならノックくらいしろよ(笑)普通に返したけどマジで心臓止まりかけたからね！？｣
こっちは半分キレ気味だというのに当の本人は“そんな事言われてもね〜”なんてのをおちゃらけて返す。
めっちゃびっくりした(笑)
｢ていうか、同僚が体調不良で入院してたってのに全然来てくんないじゃん｣
神｢え？来てるよ？｣
｢来てる？いつ？｣
神｢ん〜…3日前、いや4日前……5日前かな？｣
｢ぶっ飛ばすよ？笑｣
神｢いや、でも、時間ある時には今みたいに来てるから。もう紫耀ちゃん寂しがり屋すぎ｣
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作者名：わんちゃん | 作者ホームページ：http://commu.nosv.org/p/ayanes0328
作成日時：2023年12月19日 18時
