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｢それ、、、！！｣
驚く私の顔を見て、照史は嬉しそうに微笑む。
橙｢覚えてくれててよかったー！！もっかいこれ作ろ、な！｣
余った卵黄を、書いてある材料と混ぜていく。
橙｢あ、、、バニラビーンズあったっけ？？｣
｢バニラビーンズ？！えわからへん、あるかな、、、｣
かすかな不安と共に、冷蔵庫の中を探す。
見当たらない。これがなかったらレシピ通りにならへんのに＿＿＿＿＿＿＿＿
と思った瞬間。
橙｢あった。｣
｢え、っちょ！！｣
背後から声がしたかと思うと、照史の体温が身体を包んだ。
そして私の肩越しに、上の棚の奥の方に置いてあったバニラビーンズを手に取り照れくさそうに笑う。
｢こんな取り方せんでもいいでしょ、！｣
橙｢なんか、Aの背中が小さく見えてさ。なんかいじらしく思ってもうて｣
｢なんやのそれ｣
橙｢まあそもそも背ぇちっちゃいから見えてへんねんやろなぁて思ったんやけどな笑｣
｢うるさい！！、、、でも、ありがとう。｣
そうこうしてるうちにメレンゲが焼けて、今作ってたカスタードクリームと切ったいちごをメレンゲと交互に乗せていく。
橙｢じゃじゃーん！！完成！！｣
｢なにこれ、、、めちゃめちゃ美味しそうやん｣
橙｢せやろー？？ほら！食べよ食べよ！！｣
お皿に盛り付けて、ダイニングテーブルに運ぶ。私たちを待つ間に、シーサーは寝てしまったみたい。微かに寝息が聞こえる。
｢｢いただきまーす｣｣
｢こんな時間からこんなん食べて絶対太る｣
橙｢女の子が元気無い時は甘いもんに限るでしょ！｣
｢時間を考えなさいよ｣
橙｢ノリノリで作ってたくせに〜♪、、、んまあ！！｣
｢しっ！！シーサー起きるでしょ、、、ん！美味しい！｣
橙｢やっぱりこのカスタードが旨いなあ｣
｢そやな。なーんか昔のこと思い出すね。懐かしいなぁ｣
橙｢嫌なことは食べて寝たら忘れるから。今日はさ、同じ布団で寝よ？？｣
｢え、何のために別々の布団にしたと思って______｣
橙｢今日ぐらい、そばにおってもええやろ？｣
私の恋人は、カスタードクリームなんかよりもっともっと甘い魔法の使い手です。
end.
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作者名：姐御。 | 作成日時：2019年6月18日 17時
