どんなカタチ？【JW】 (ページ16)

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紫｢うわぁ、、、！！」

そこには、一面にエキザカムの花が咲き乱れていた。

見渡す限りの紫。そのあまりにも美しい光景に、言葉を上手く紡げなくなる。

｢エキザカム。キレイでしょ？」

紫｢いやほんま、きれいやわ、、、あの、、、なんていうか、、、」

｢上手く説明できませんよね、わかります。笑
なんか、変に言葉で表すよりもただ黙ってこの美しさに包まれるのがいいと思うんです、私」

その通りだ。無理に言葉にしなくていい、無理に表現しなくていい。人付き合いだってそうだ。

｢崇裕さんは優しいんですよ。でも、無理することは優しさじゃないですからね。誰だって自由に生きる権利がありますから」

自由に生きる権利がある。そんな一言になんだか救われた気がして、しばらく黙ってエキザカムの美しさに身を委ねていた。

しばらくして、あることがふと頭をよぎった。

紫｢この花、お店に置いてませんよね？」

｢あー、惜しいですね」

紫｢惜しい？」

｢正確には置かなくなった、ですかね」

紫｢え、なんでですか？」

｢このお花はこの人にだけ買って欲しい、っていう人ができたんです。」

紫｢、、、？」

｢ヒントは花言葉です。崇裕さんなら分かってくれますよね、、、？」

エキザカムの花言葉、、、なんやったっけ、、、？

紫｢あなたを愛します、、、！！」

｢初めてお店に来られた時からずっと好きでした。いつも買っていかれるお花たちみたいに、私も崇裕さんを支える存在でありたいんです。私を、、、選んでくれませんか？」

そう言いながら僕の目を真っ直ぐ見るAさんの瞳に、嘘はなかった。

紫｢当たり前じゃないですか、、、！！」

ふたりの体温が重なる。

小さな恋の種が、大きな花を咲かせた。