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身体を包む柔らかな感触。自分のものではない香り。そんな環境に違和感を感じて目を開けると、
｢どこ、、、ここ｣
黄｢あ、気がついた。よかった｣
｢！？｣
黄｢すみません、勝手にこんなとこ連れてきちゃって｣
｢いえ、あの、、、ここどこなんですか？なんで私はここに、、、｣
黄｢覚えてないんですか？さっきのバーで倒れられたから、、、｣
｢あ、、、｣
そうだ。あの時私はこの人の声のせいかいつもよりお酒が回るのが早くて酔っ払って、それで、、、
｢すみませんでした！！！｣
黄｢いやいや、そんな謝らんでも大丈夫ですよ。あの状況下じゃ僕が介抱するしかなかったんで笑 あ、お水置いときますね｣
｢ありがとうございます、、、｣
この人はこの状況をなんとも思わないんだろうか。普通男女がホテルにいたら少しはそういう発想になるところやけど。そういうの気にしてない普通に優しい人なんかな、なんて考えていると、私の近くに彼が座ってきた。
黄｢今日、いつもよりしんどかったんですか？｣
｢え？｣
黄｢いや、ちょっと気になったんですよ。いつもよりお酒の量が多い気がして｣
｢そう、、、ですね。お酒の量が多いのは自分では分からなかったですけど、いつもよりしんどいのは当たってます｣
黄｢やっぱり。なんかあったんですか？｣
｢同じ企画チームのメンバーと揉めちゃって、、、｣
この人、私の事よく見てたんやな、、、人の酒の量が多いとか少ないとか今まで気にしたことないのに。
それからもこの人は、仕事場での些細な愚痴を聞いてくれた。
黄｢それ結構しんどいんちゃいます？よう耐えましたねそれ、、、｣
｢ほんまにしんどかったですよ、、、今ではもう笑い話なんですけどね笑｣
そういえば私、この人の名前知らんかったな。
｢あの、、、お名前なんていうんですか？｣
黄｢あ、、、お互い名前知らないんでしたよね笑 よう今まで気付かへんかったな。僕は淳太っていいます｣
｢淳太さん、、、私はAっていいます｣
黄｢Aさん、可愛い名前ですね｣
｢いやいや、そんな。、、、あの、いきなりですけど淳太さん何も思わないんですか？この状況｣
黄｢この状況？、、、ああ、男女が2人でホテルの一室にいる、ってことですか？｣
改めて口に出されると、ちょっと恥ずかしい。そんなことを思っていると、
黄｢なんにも思わないわけないでしょ？｣
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作者名：姐御。 | 作成日時：2019年6月18日 17時
