いや私がアイドルて。【JW】

苦悩 ページ37

「でさ、なんの仕事やったん？」




カレーを食べながら今日の仕事の話を持ち出した。
急やったし、すぐ終わったし。気になるやん？




緑「あー、新メンバーが増えますっていう報告の動画撮っててん」




橙「もちろんAのことはなんにも言うてへんねんけど、とりあえず新メンバーが増えます〜、んで今はなんにも情報出されへんけど順を追って公開していくからね〜っていう感じのね」




「ほぁー、やから7人やってんなぁ」




黄「スタッフさんから聞いたんやけど最終的なちゃんとしたお披露目は来年のライブでやるらしいわ」




「あ、もうライブ決まってんねや」




赤「そうそう、やからアルバムで声は初公開みたいな感じになるんかな？多分。」




「そうなんやぁ、、、」




紫「そういえばAの歌とかダンスとか全然知らんねんけどその辺はどうなん？？」




「一応どっちも得意分野ではある！どっちの方が得意かって言われたら僅差で歌かな〜って感じ。」




桃「え、今度2人でカラオケ行こうや」




「2人では嫌やなぁ(笑)」






青「どう？仕事の話されてみて」




「いやーなんか不思議な気持ち。ほんの数ヶ月前は普通の女子高生やったのになんかとんとん拍子に話が進んでいって正直言うとまだ頭追いついてないねんよなぁ(笑)でも、ここだけの話今学校で部活以外に居場所ないなあって感じてたからそういう生活から抜け出せるのは有難いと思ってる。」




黄「なんかあったん？」




「なんかな、こないだ学校を1週間くらい休んでもうてんよ。それにはちゃんとした理由があるねんけど、家の事やし家族以外とは絶対話したくないことやから詳しくは言えへんくてさ。で、みんなには入院してたって言うててんけど、その嘘をつくにあたって矛盾が結構生じてもうて。ほんでそこから色々憶測が広がって私の一挙手一投足をみんなが疑うようになってもうてさ、クラスにおるん辛くなってきてん。でも部活は大好きやから、それだけのために学校は辞めたくないねん。それで今回の話聞いて学校に行く回数減ってええなぁって思っててん」





紫「そうやったんや、」




「都合のいいように解釈してるなぁ、自分でもそう思うよ。世間はそんなに甘いもんじゃない。高校生が何言うてんねんって話やけど、そんな私が変わろうと思うきっかけをみんなが作ってくれたから。ほんまにみんなには感謝してもしきれへん、」




話しながら、気付けば涙が零れ落ちていた。

前向いて。→←おするばん

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す