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大野さんはまた真っ白なキャンバスの前に座った。
俺も後をついて行って隣に座る。
智「あいつのこと。和にはちゃんと話とかなきゃって」
和「・・・どうして？」
大野さんは悲しげに微笑んだ。
写真を渡した時とおんなじように。
一呼吸置いて大野さんは、こう続けた。
智「和にあいつを重ねて見てたから」
あの写真を見て、
あの人の事を聞いて、
さっきの大野さんの言葉で。
薄々感じていたものが、確信に変わった。
和「俺のクラスに来てたのは、その人に会いに行ってたんだね」
俺の言葉を聞いて、大野さんは合わせていた目線を下に向けた。
ゆっくり頷いて「うん」と小さく呟く。
そんな苦しそうな顔しないでよ。
智「無意識に、あいつにしてたことを和にもしてた」
俺の顔を見て優しく微笑んだのも。
別れ際に俺の頭を撫でたのも。
あれは全部、『あの人』に向けていたもの。
智「和にあの写真渡されたときは、"俺とこいつは違う"って言われてるみたいでさ」
和「そんなつもり―――」
智「うん。でも、あれで気付いたんだよ。あいつを重ねてたんだなって」
和「別に、気にしてないよ」
俺を見ていようが、俺を通してその人を見ていようが。
それで今まで通り笑い合えるなら、
それで――――。
智「でも、和は和だろ」
和「――――っ」
智「今日ぐらい、素直になれ」
その言葉を聞いて自然と涙が零れた。
大野さんが優しく抱きしめてくれた。
『あの人』じゃなくて俺に。
頭に乗せられた温かい手にまた涙が込み上げる。
智「ごめんな。そりゃツラいよな。ちゃんと見て欲しいよな。ごめんな、和」
大野さんの優しい言葉が胸を締め付ける。
と同時に、頭を撫でてくれる手の温もりに安心する。
和「・・・俺、好きだよ」
智「っえ？」
和「大野さんに頭撫でてもらうの」
智「あぁ・・・」
和「なに期待してんの」
智「してないよっ」
和「・・・好きだった人を俺に重ねるぐらいだからなぁ」
智「おまっ、素直に甘えたかと思えばすぐそういうことを・・・」
和「いいんです、これが俺なんですから」
大野さんは優しくふっと微笑んだ。
それから、そっと俺に耳打ちをした。
和「え・・・」
驚いて顔を上げると、大野さんは笑みを浮かべてぐっと親指を立てた。
やっぱり大野さんには全部お見通しだった。
ぐしゃぐしゃと髪を掻き撫でられて、
負けじとやり返して、
二人で笑いあった。
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真珠(プロフ) - _____奏音 .さん» あああああありがとうございます！（震え）ご期待に添えるよう精進していきます！(o^∇^o)ﾉ (2014年3月4日 18時) (
レス) id: af6ce7423c (このIDを非表示/違反報告)
_____奏音 . - 真珠さん» そんな ! ついていきます !笑 (2014年2月25日 22時) (レス) id: 3cfb3d1573 (このIDを非表示/違反報告)
真珠(プロフ) - _____奏音 .さん» あの、亀更新ですが・・・(´д｀；) これからもよろしくお願いします！ (2014年2月25日 18時) (レス) id: af6ce7423c (このIDを非表示/違反報告)
_____奏音 . - 真珠さん» あひゃ♪(( ふふ、うちもまた話せてうれしいです ! (2014年2月25日 17時) (レス) id: 3cfb3d1573 (このIDを非表示/違反報告)
真珠(プロフ) - _____奏音 .さん» 以前から来てくれた読者にまた来てもらえるとは・・・！嬉しすぎて昇天しそうです！(吐血) (2014年2月23日 18時) (レス) id: af6ce7423c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：真珠 | 作者ホームページ：http://commu.nosv.org/bbs/sinnjunino
作成日時：2013年10月29日 1時
