〜7〜 ページ44
噂について聞いたら、潤くんと相葉さんは困った顔をした。
言ってもいいのか考えているみたい。
智「ニノに恋人が出来たんじゃないかって噂が出てんの」
和「え？」
雅「あっ、そんなあっさり言う？！」
まぁ、事実っちゃあ事実だけど。
その噂、どのくらいの人に伝わっているんだろう・・・。
潤「先生、最近すごい執筆はかどってたでしょ？
あと、出版社に訪ねて来るとき・・・なんか、雰囲気変わった気がして」
智「ウチに来る度に笑顔が増えてったよね」
雅「それで、恋人でも出来たんじゃない？って」
和「誰が」
冗談で冷たく言うと、潤くんと編集長は黙ってすぐに相葉さんを指差した。
その噂を流した当の本人は、あぐらから正座に座りなおしてペコッと頭を下げた。
“噂のあの人”は、俺の恋人と言うわけで―――――
つまりは翔ちゃんのことっていうわけか。
雅「いや俺もさぁ、面白半分で言っただけなんだよ？
でもなんかニノが来る度に恋人説の信憑性が高まっちゃってさぁ・・・」
潤「少なくともウチの文庫の社員には出回ってる」
翔「そっそんなにですか？！」
智「俺はそれを聞いて楽しんでた」
翔「言えよ！？」
智「どうせいつか分かるだろうって思って」
雅「いやぁ、でもまさかあのニノに恋人がねぇ・・・」
恋愛とはまるで縁のなかった俺に恋人がいると言われて驚くのも無理はないか。
売れなかった頃からずっと小説一本で生活していた俺に恋愛をする暇もなかった。
俺自身も興味がなかった。
だからこうして職場のみんなが騒ぐのも無理はない。
潤「恋愛は自由ですよ。仕事さえこなしてくれれば。
ただ・・・・・気を付けて下さいよ？」
潤くんは真剣な表情になって俺と、隣にいる翔ちゃんを交互に見た。
なんとなく、言いたいことは分かる。
俺は小説家、翔ちゃんは会社員。
立場の違いは痛いほど分かっている。
翔ちゃんも同じことを考えてるみたいだった。
智「大丈夫だよ」
大野さんの声はやけに響いた。
反響して聞こえたわけじゃなくて、なにか頭に響いたような感じがした。
大野さんの言葉の影響力はすごいと思う。
智「ね？」
首を傾げて柔らかい笑顔を向ける大野さん。
その笑顔はすごく暖かかった。
隣りで翔ちゃんがゆっくり頷いた。
その顔は真剣そのもので、俺のこと想ってくれてるのかなぁ、なんて。
そんなことを考えて・・・・・・思わず笑みが零れた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 166人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
彩音(プロフ) - みややさん» そうでしたか!!私だけではなかった(笑)磁石の日なんて顔面崩壊ですよぉ、萌えますよぉ(笑) (2013年10月1日 22時) (
レス) id: af6ce7423c (このIDを非表示/違反報告)
彩音(プロフ) - きららさん» いいですよー。あるある的ミスですからね(笑) (2013年10月1日 22時) (レス) id: af6ce7423c (このIDを非表示/違反報告)
彩音(プロフ) - きららさん» そうですねぇ、書いてて少し奥手になってしまったなぁと(笑)設定的に、翔さんは奥手ですが自覚症状なしに凄い事をやってのける人だと思って書いてます(笑)頑張りますね!! (2013年10月1日 22時) (レス) id: af6ce7423c (このIDを非表示/違反報告)
みやや(プロフ) - 「磁石の日」初めて知りました!!ニヤニヤしてしまうのは、おかしくありません！私もです(笑) (2013年10月1日 21時) (レス) id: 0652d0798d (このIDを非表示/違反報告)
きらら - ミスった！すいませんでした。 (2013年10月1日 19時) (レス) id: 9ab90ef3ad (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：真珠 | 作者ホームページ：http://commu.nosv.org/bbs/sinnjunino
作成日時：2013年7月3日 0時
