〜2〜 ページ39
電車に乗って座席に座り、体が左右に揺れる。
ケーキが傾かないようにカバンと一緒に膝に置いていると、隣りから感じる視線。
首を少しだけ動かし、気付かれないように右側を見る。
その男は見覚えがあった。
正確に言うと顔は覚えていなかったが、そのスタイルを見て思い出した。
マンションの前を通りかかった時にすれ違った長身痩身の男だ。
「何見てんの？」
その声は上から降り注いだ。
自分のことかと目線をやったが、その男の目線は真下に向けられていた。
隣りの男に話しかけたようだった。
顔が整っていて
一方、男は気付いているのかいないのか、未だにケーキの箱を見ている。
「・・・雅紀」
「へっ？あ、なぁに潤？」
“雅紀”と呼ばれた男は、“潤”という男に静かに耳打ちをされる。
彼は立っている為、低く屈んで耳打ちをする。
距離もかなりその男の顔に近い。
耳打ちをされた雅紀は、「ごめん、ごめん」と軽く謝る。
「あそこのケーキ屋、一緒に行こうよぉ。なんか腹減っちゃっ―――った？！」
潤は明るく陽気に話す雅紀の頭を叩く。
力を入れているようではなかったが、軽さのあるパシンという音がした。
「お前なぁ、俺がわざわざお前に耳打ちした理由分かんないの？」
「え？あ〜・・・。ごめんねっ」
まぁ大方、
俺の持っているこのケーキをジロジロと見ているのを注意したんだろう。
とっくにバレバレだけど。
「いっつもそうやってさ・・・。ごめんねって言や済むと思ってんだろ」
「・・・そ、んなんじゃないよ？」
「詰まんなよ」
ふと、その潤という人と目が合った。
座っている俺を見るから、自然と見下される形となる。
その目力に思わず背筋が伸びる。
彼は俺に軽い会釈をした。
口には出していないが、謝ったんだろう。
その行動はイメージと違い、律儀な彼に驚いて俺も慌てて会釈をする。
そうこうしている内に、俺が降りる場所から一つ前のアナウンスが鳴る。
席を立って、降り口に近い場所のつり革に掴まる。
隣に座るように呼びかける雅紀の声が聞こえた。
横目で見ると、
雅紀の笑顔とは裏腹に、潤は手で口元を隠してそっぽを向いていた。
潤の手に雅紀の手が置かれているのが見えた。
顔を覆っている潤の手の隙間から、小さく微笑んでいるのが見えた。
それは、和の照れ隠しの仕草に似ていた。
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彩音(プロフ) - みややさん» そうでしたか!!私だけではなかった(笑)磁石の日なんて顔面崩壊ですよぉ、萌えますよぉ(笑) (2013年10月1日 22時) (
レス) id: af6ce7423c (このIDを非表示/違反報告)
彩音(プロフ) - きららさん» いいですよー。あるある的ミスですからね(笑) (2013年10月1日 22時) (レス) id: af6ce7423c (このIDを非表示/違反報告)
彩音(プロフ) - きららさん» そうですねぇ、書いてて少し奥手になってしまったなぁと(笑)設定的に、翔さんは奥手ですが自覚症状なしに凄い事をやってのける人だと思って書いてます(笑)頑張りますね!! (2013年10月1日 22時) (レス) id: af6ce7423c (このIDを非表示/違反報告)
みやや(プロフ) - 「磁石の日」初めて知りました!!ニヤニヤしてしまうのは、おかしくありません！私もです(笑) (2013年10月1日 21時) (レス) id: 0652d0798d (このIDを非表示/違反報告)
きらら - ミスった！すいませんでした。 (2013年10月1日 19時) (レス) id: 9ab90ef3ad (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：真珠 | 作者ホームページ：http://commu.nosv.org/bbs/sinnjunino
作成日時：2013年7月3日 0時
