近所のお兄さん24 ページ35
俺は、ただ呆然としていた。
翔さんが僕を知っていた。
ここから顔を出すこと。
退屈そうに、通りを歩く人を眺めていたこと。
今まで俺は、見られていないもんだと思っていたのに。
それはどうやら思い違いだったようで。
でも、肝心なことは気付いていない。
俺の方こそ、ずっと翔さんを見てきたこと。
翔「すいません。引きますよね。俺も何やってんだろって・・・」
翔さんは頭を軽く下げて、苦笑混じりに頭を掻いた。
すぐに俺から視線を外して、顔を逸らす。
それから、翔さんはこっちを向かなくなった。
和「・・・・・僕も、知ってましたよ」
翔さんの気を引きたいが為に告げた秘密。
案の定、翔さんは振り返って目を丸くする。
和「僕は、8時になると現れる翔さんを、ここから見てました。
仕事に行く翔さんの後ろ姿を見て、今日も頑張ろって。
・・・代わり映えのない毎日が、楽しくなったんです」
今まで何の変哲もない日が、翔さんのおかげで変わった。
苦手だった朝や夏の暑さも、感じ方が変わった。
和「・・・僕たち、似た者同士ですね」
冗談っぽく笑って見せた。
そうでもしないと、“好き”って気持ちがバレてしまいそうで。
何となく顔が見れなくなって、翔さんから視線を逸らして少し離れた。
翔「―――似てないですよ」
和「え？」
真剣な表情になってこっちを見る翔さん。
じっと見るその目に、俺は目が離せなかった。
翔「俺の気持ちと、二宮さんの気持ちは・・・違うから」
俺は腕を掴まれ、気が付いたら翔さんの胸の中にいた。
抱きしめてくる腕の強さに、ハッとした。
翔さんが近い。
翔さんは俺の肩に頭を乗せて、力強く抱きしめる。
力が加わる度に、胸がぎゅっと締め付けられる。
早くなっていく鼓動も、聞こえてしまいそうだ。
和「しょう、さん・・・」
名前を呼ぶと、翔さんの大きい手が俺の頭を優しく包む。
翔さんの肩に頭を乗せる形になると、小さく、少しずつ、翔さんは言葉を零した。
翔「俺は・・・・・。二宮さんが、好きなんです」
俺の頭に添える大きな手が小刻みに震える。
そして、
搾り出すようにもう一度、
かすれた声で言葉を零した。
翔「・・・・・・・・好きだ」
.
.
自然と、涙が零れた。
温かい涙が頬を伝った。
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彩音(プロフ) - みややさん» そうでしたか!!私だけではなかった(笑)磁石の日なんて顔面崩壊ですよぉ、萌えますよぉ(笑) (2013年10月1日 22時) (
レス) id: af6ce7423c (このIDを非表示/違反報告)
彩音(プロフ) - きららさん» いいですよー。あるある的ミスですからね(笑) (2013年10月1日 22時) (レス) id: af6ce7423c (このIDを非表示/違反報告)
彩音(プロフ) - きららさん» そうですねぇ、書いてて少し奥手になってしまったなぁと(笑)設定的に、翔さんは奥手ですが自覚症状なしに凄い事をやってのける人だと思って書いてます(笑)頑張りますね!! (2013年10月1日 22時) (レス) id: af6ce7423c (このIDを非表示/違反報告)
みやや(プロフ) - 「磁石の日」初めて知りました!!ニヤニヤしてしまうのは、おかしくありません！私もです(笑) (2013年10月1日 21時) (レス) id: 0652d0798d (このIDを非表示/違反報告)
きらら - ミスった！すいませんでした。 (2013年10月1日 19時) (レス) id: 9ab90ef3ad (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：真珠 | 作者ホームページ：http://commu.nosv.org/bbs/sinnjunino
作成日時：2013年7月3日 0時
