近所のお兄さん23 ページ34
その日、俺は珍しく寝坊をした。
毎朝乗る電車の発車時刻に起きてしまった。
次の電車はかなり人が混んでいる。
それを避けるように、わざわざ早起きしていたってのに。
「・・・今日は次の電車に乗るっきゃない」
人混みに揺られる憂鬱な朝が待っている。
俺は足取り重く、準備をしてマンションを出た。
「あら翔くん。今日は遅いのねぇ？」
「あっ、お・・・はよぉ、ございます」
隣りのマンションに住んでいる、犬の散歩に来るおばさん。
この人自体は特に問題はないんだ。
問題はこの飼い犬。
「ぎゃんぎゃんぎゃんっ！」
「ぅおおっ？！」
「そんなに驚かなくても。ただのコーギーよ？」
「いやそうですけど、凄い目が飛び出そうなくらい見てきて怖いですよ！」
くりくりと大きい目で俺を見ては、もの凄い形相で吠えまくる。
俺が時間をずらしたのもこの飼い犬の所為でもある。
「あら。またあんな顔して、あの子」
「え・・・？」
おばさんは顔を上げて、隣のマンションを見ていた。
その視線の先を追うと――――
退屈そうな、物思いにふけった顔をした人が窓から顔を出していた。
通りを歩く人達を眺めているその人から、不思議と目が離せなかった。
「あの子、いつもこの時間になると顔出すのよ。
せっかく可愛い顔してるのに、ああやって口尖らしてるのよ。不思議な子よねぇ」
俺は不思議な空気を纏った窓の住人に強く惹かれた。
「何か、知ってますか・・・？」
「え？いやぁ、この時間に顔を見るだけだからよく知らないねぇ」
「そう、ですか・・・・」
「それより。あなた時間大丈夫なの？」
「え・・・あっ！おばさん、いってきます！」
「はいはい、行ってらっしゃい」
それから俺は、この時間に出ることにした。
憂鬱な朝も、人目君の姿を見れたら頑張れた。
今こうして君と隣りに居ることは夢なんじゃないかと思う。
夕日と共に、長い夢が沈んでいってしまうんじゃないかと思う。
けれど、これは夢じゃない。
肩と肩が触れ合いそうな程近くに居る。
綺麗な赤い夕日に気を取られて、俺の今までの想いが溢れ出てしまいそうだ―――。
君に、想いを告げてしまいたい。
君に、想いを受け止めてもらいたい。
君に、―――受け入れてもらいたい。
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彩音(プロフ) - みややさん» そうでしたか!!私だけではなかった(笑)磁石の日なんて顔面崩壊ですよぉ、萌えますよぉ(笑) (2013年10月1日 22時) (
レス) id: af6ce7423c (このIDを非表示/違反報告)
彩音(プロフ) - きららさん» いいですよー。あるある的ミスですからね(笑) (2013年10月1日 22時) (レス) id: af6ce7423c (このIDを非表示/違反報告)
彩音(プロフ) - きららさん» そうですねぇ、書いてて少し奥手になってしまったなぁと(笑)設定的に、翔さんは奥手ですが自覚症状なしに凄い事をやってのける人だと思って書いてます(笑)頑張りますね!! (2013年10月1日 22時) (レス) id: af6ce7423c (このIDを非表示/違反報告)
みやや(プロフ) - 「磁石の日」初めて知りました!!ニヤニヤしてしまうのは、おかしくありません！私もです(笑) (2013年10月1日 21時) (レス) id: 0652d0798d (このIDを非表示/違反報告)
きらら - ミスった！すいませんでした。 (2013年10月1日 19時) (レス) id: 9ab90ef3ad (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：真珠 | 作者ホームページ：http://commu.nosv.org/bbs/sinnjunino
作成日時：2013年7月3日 0時
