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アヤ「……借金が、あるんです。」
唐突に口を開いたアヤ。
「何のこと…？」
アヤ「私が中学生の頃、両親の友人が莫大な借金を作ったんです。
両親はその友人に騙されて、借金を全て背負うことになりました。
払っても払っても借金は減らないんです。
ある日、お母さんは私に言いました。
アンタさえいなければもっと簡単に借金を返せたのに。」
「っ、」
なんだか君が消えてしまいそうだった。
僕の知らない君がここにいる。
アヤ「それから両親は逃げ出し、私は親戚の家に預けられました。
行方の分からない両親。
借金の返済は親戚のおじさんとおばさんがすることになりました。
申し訳なくて、
だから、親戚とは縁を切り、私が借金を返済することにしました。
歌うことが好きだった私は、オーディションを受けて、
バンドを組んだ。
ジョンフンさんだけがそれを知ってます。」
君の背負っているものは余りにも重すぎてる。
逃げ出したくても逃げ出せなかったアヤ。
今まで、どれだけ傷付いてきたんだろう。
アヤ「メンバーが言ったんです。
喋るな、
耳障りな声だって。
その日から、私の声は
歌う以外に使いものにならなくなった。
最後に宿舎を出るとき、サラさんは言いました。
喋れよ、
なんとか言えよって。
だから今は喋れるんです。」
全員「っ…」
君は喋らなかったんじゃない。
喋れなかったんだ。
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作者名：あやテテ
| 作成日時：2018年2月3日 0時
