佐藤、こっち向いてよ (ページ2)

今日:1 hit、昨日:0 hit、合計:236 hit

story_2 ページ2

_you side

始業式から約１ヶ月

噂通り、

このクラスは色々と目立つ生徒が多い

まぁ、そんな人とは関わりたくもないけど。

私は、いつもの友達といれればそれでいい。

必要以上に踏み込まず、踏み込ませない。

干渉しない関係だけでいい。

あー、屋上行きたい

そんな衝動に駆られ屋上に向かう。

1限目さぼろっかな、

そう思いドアを開けようとしたら

突如開かれるドア

『え？』

私の間抜けな声とともに

涙で顔を濡らした女の子が勢い良く走っていった。

朝っぱらから女の子泣かせる奴って誰だよ

と思いながら屋上に足を踏み入れる

屋上には先客がいた

佐藤だった。

『屋上から出てった女の子が泣いてたのっての佐藤
のせい？』

思わず口に出してしまった。

佐藤はこっちを向いて

「そうかも」

って苦笑いをして言った。

『告白された、とか？』

「まぁ、そんなとこかな」

『モテるって辛いね』

何故か沈黙が続く

「本当に大切な人からモテなきゃ意味無いよ」

そう言う佐藤の顔は切なくて、でも綺麗で

何故か胸が熱くなった。

『佐藤にも好きな人っているんだね』

「いるよ、ってなんでこんな話してんだろ
まだ、誰にも話してないのに、。この話は俺と
Aの秘密だから。絶対誰にも言うなよ」

『ん、わかった。』

そういうと佐藤は屋上を出てった。

何故か私は佐藤の秘密を知ってしまった、

ただのクラスメイトが佐藤の秘密を知っている

クラスメイトになってしまった。

佐藤の好きな人、か

どんな人なんだろうな。