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今日私はYouTubeを開いている。
「さてと、誰から見ようか」
エデン組はある程度抑えているからなぁ。ま、手当り次第かな。海外勢まで含めたら一体何ヶ月かかることやら。
・
「んっ…ぁー………」
ぐっと背中を伸ばして時計を見る。思ったよりも時間が過ぎていたらしい。様々な切り抜きを見続けて元配信に飛んでを繰り返した。
時々、彼が画面に映ることもあった。
その声色を聞いているとやっぱりなんだか私と話すときの彼とは何かが違う気がしてしまう。
やっぱり私は彼の特別の枠には入れないんだろうか。
「いいなぁ…」
私は彼のリスナーを、彼の同期を羨んでいるのか。いや、もしかしたら羨んでいるのはライバーに対してかもしれない。あんなにリスナーがいて。色んな人の特別になっている。
「あ…」
もしかしたら、私は誰かの特別になりたいのか。
憧れたのか。にじさんじのライバーたちに。
静かにTwitterを開いてにじさんじのライバー達をフォローしていく。個性的な人達ばかりだ。リプ欄にいるリスナー達からも愛を感じる。素晴らしいと言うに相応しい関係を築いている。
すごいな。ライバーって。
・
「ん?」
何日か配信を追いかけているうちに気づいた。この日、彼大学もなかったか?この日も、この日も。
ついつい忘れがちになってしまうが、そうか。彼らは配信とは別に職業を持っている者も多かった。しかしこの働き方は…
「リヴィは大丈夫なのか…」
体が決して丈夫ではない友人が少しだけ心配になった。
大切な友人のために、何が出来るだろうか。
「…………」
私は席を立って行動を起こした。
◇◆◇◆◇◆
「はぁ………」
溜息を吐いて玄関の鍵を閉める。昨日の夜に配信してエデンに戻り今日は大学。夕飯を作る気力もない。が、動かねば何もできない。もうひと踏ん張りしようかと考えていると、ピンポーンとインターホンが鳴った。
「すまないこんな遅くに。お疲れ様、リヴィ。」
「こんばんは。お疲れ様、どうしたのA」
「夕食は?」
「これから作るところ…」
「作る前で良かった。これ。」
いつかのように差し出された鍋に僕は驚いた。
「あの、僕何かした…?」
「いいや?ただ、頑張るみんなの教授を、友人として甘やかしたいだけさ。迷惑かな?」
「いえ!!正直ありがたい…しかもAの料理は美味しいから、毎日でも食べたいよ…」
「そしたら毎日夜届けようか」
「え」
【冗談のつもりだったんです】
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bd(プロフ) - キッカさん» 私も思いましたが母がしていたので笑 美味しいんですよ…これからもよろしくおねがいします! (2022年7月8日 7時) (レス) id: acb9b65eb1 (このIDを非表示/違反報告)
キッカ(プロフ) - 土鍋に油入れて炒め物!?と思ってしまいましたが関係なく教授とキャメロンさんが幸せそうなのでOKです…!続編も今読ませてもらってます!これからの展開も楽しみです! (2022年7月7日 17時) (レス) @page45 id: a720bcf40a (このIDを非表示/違反報告)
bd(プロフ) - 春瀬さん» ありがとうございます!続編も引き続きよろしくおねがいします! (2022年7月7日 16時) (レス) id: acb9b65eb1 (このIDを非表示/違反報告)
春瀬(プロフ) - 素敵な物語をありがとうございます!みるみる引き込まれました。続編も楽しみにしています! (2022年7月5日 9時) (レス) @page50 id: eab317b5b8 (このIDを非表示/違反報告)
bana(プロフ) - みみさん» ありがとうございます!そう仰っていただけると幸いです! (2022年4月5日 0時) (レス) id: acb9b65eb1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:bd | 作成日時:2022年3月12日 0時