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「リヴィ、そっちの皿を取ってくれないか。」
「はい、どうぞ」
あれから私達はまた以前のように定期的に会うようになった。前回、二人で行った料理配信がなかなかリヴィに刺さったらしい。
だから集まれば自然と次は何を作りたいだの、誰に食べてほしいだの、そんな話となる。
相変わらず彼と話すのはとても楽しい。
なにか違いを上げろと言われれば、まあ、お泊りをしているということだろう。
二人で同じ部屋に寝転がって、うとうとしながら気の抜けた会話をするのが、なんとなくむず痒くもあり、楽しくもあり。
少しだけ、私のこの感情が恋慕に近づいていることも自覚してきていた。
だからといって彼の親友の座を誰かに渡す気もない。私としてはこの立ち位置で満足している。
今は、だが。
・
「リヴィ…」
「んー……?」
夜。まどろみの中の会話、最近一番大切にしたい時間。
「どうしたのー……もう寝なきゃいけない時間だよ…」
「んふふ、」
「変なAだ。眠くて変になっちゃった」
一番、素直になれる時間だ。
「りーゔぃ、」
「ほとんど呂律回ってないじゃん、どうしたの、今日は構ってちゃんなのかな?」
もうほとんど閉じかけた目を少しだけ開けると、気になったのかリヴィはわざわざ起き上がって私を覗き込んでいた。
その優しい顔を見て、思わず口から溢れた
「大好きだ…」
親友として、きっと、男性としても。
でも、今はまだ、親友のままで。
あ、もうむり、眠すぎる。
これからも、よろしく頼むぞ…リヴィ…
◆◇◆◇◆◇
「大好きだ…」
「(、え)」
一言零すと、満足そうにニコニコしながら、その瞳は完全に瞼に閉じられてしまった。
すーすーと寝息を立てている彼女は心底心地がよさそうだ。
こっちの気も知らないで。
途端に心音が耳を打ち始め耳が熱くなってくる。
どう頑張っても上がってしまう口角を僕は手で覆い隠して彼女を睨んだ。
きっと今のは、親友として、という意味なのだろう。悲しいけれど。
僕はもうとっくにそれ以上を求めているのに。
お泊りなんかしていたら男として見てもらえないかな。
ねえ、どうしたら君はその先の感情を僕に向けてくれる?
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bd(プロフ) - キッカさん» 私も思いましたが母がしていたので笑 美味しいんですよ…これからもよろしくおねがいします! (2022年7月8日 7時) (レス) id: acb9b65eb1 (このIDを非表示/違反報告)
キッカ(プロフ) - 土鍋に油入れて炒め物!?と思ってしまいましたが関係なく教授とキャメロンさんが幸せそうなのでOKです…!続編も今読ませてもらってます!これからの展開も楽しみです! (2022年7月7日 17時) (レス) @page45 id: a720bcf40a (このIDを非表示/違反報告)
bd(プロフ) - 春瀬さん» ありがとうございます!続編も引き続きよろしくおねがいします! (2022年7月7日 16時) (レス) id: acb9b65eb1 (このIDを非表示/違反報告)
春瀬(プロフ) - 素敵な物語をありがとうございます!みるみる引き込まれました。続編も楽しみにしています! (2022年7月5日 9時) (レス) @page50 id: eab317b5b8 (このIDを非表示/違反報告)
bana(プロフ) - みみさん» ありがとうございます!そう仰っていただけると幸いです! (2022年4月5日 0時) (レス) id: acb9b65eb1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:bd | 作成日時:2022年3月12日 0時