27(番外編) ページ28
(時系列無視時空・まだお隣さんだった頃)
「あ」
カレンダーを確認してふと声を上げてしまったのは、バレンタインまで一週間切ったからだった。
いつもなら何も気にしないのだけれど今年はリヴィはじめエデン組の子達がいる。私らしくない、といえばそこまでだが。今年は何かしてみてもいいかもしれない。
「ふー……さて、と。」
とりあえず、街へ出てみることにするか。
やはりチョコが定番のようであちこちから甘い香りが漂っていた。しかしせっかくなら作って渡したいなぁ、なんて思いながらも美味しそうなお菓子たちを眺めながら歩いた。
この先はそのまま手作り派向けのコーナーが続いている。
「お」
それを見つけてピタリと足を止めた。
「いいね、決まりだ。」
決まりはしたが、せっかくならもう少し色々と見たい。私はそのまま何軒か見回った。
バレンタイン当日。結局クッキーを作り、袋詰してそれぞれに持っていく。
どこに誰がいるかなんて、私には筒抜けだからね。
年下3人は飛び跳ねるように喜んでくれた。レインさんからは友チョコももらえた。
「誘ってくれたら一緒に作ったのにー!」と少し残念がっていたから、来年からは誘うようにしよう。
レオスさんとリヴィは一緒にいたので、手間が省けた。
リヴィは素直に「ありがとう」と言ってくれたけどレオスさんは態度がでかくてリヴィに怒られていたなぁ。
なんて思い出しているとそろそろリヴィが帰ってくる頃。
今日は21時帰宅。
紙袋を手に私はお隣さんに会いに行った。
◇◆◇◆◇◆
インターホンが鳴って玄関を開けた。
「はーい、あれ、A?」
「お疲れ様。少しいいかい?」
「良いけど…どうしたんだい」
「これ。ハッピーバレンタイン。」
渡された紙袋には小箱と有名店のチョコレートリキュールが入っていた。小箱の中身は、どうやらネクタイピンらしかった。
「えっ、そんな!昼にも貰ったのに…」
「昼にあげたのは皆と同じやつさ。君は親友だから、特別に。ね?」
特別、に。僕だけ…
少しだけその響きに胸がぽかぽかしてきて、じんわりと全身に広がった。
「そ、か…ごめん、嬉しくて。ふふ、笑っちゃうぐらいほんと、嬉しい。ありがとう」
彼女は見たこともないようなふんわりした笑顔を浮かべて「よかった」と、呟いた。
「ハッピーバレンタイン、リヴィ。」
「ハッピーバレンタイン。A。」
〚貴方は
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bd(プロフ) - キッカさん» 私も思いましたが母がしていたので笑 美味しいんですよ…これからもよろしくおねがいします! (2022年7月8日 7時) (レス) id: acb9b65eb1 (このIDを非表示/違反報告)
キッカ(プロフ) - 土鍋に油入れて炒め物!?と思ってしまいましたが関係なく教授とキャメロンさんが幸せそうなのでOKです…!続編も今読ませてもらってます!これからの展開も楽しみです! (2022年7月7日 17時) (レス) @page45 id: a720bcf40a (このIDを非表示/違反報告)
bd(プロフ) - 春瀬さん» ありがとうございます!続編も引き続きよろしくおねがいします! (2022年7月7日 16時) (レス) id: acb9b65eb1 (このIDを非表示/違反報告)
春瀬(プロフ) - 素敵な物語をありがとうございます!みるみる引き込まれました。続編も楽しみにしています! (2022年7月5日 9時) (レス) @page50 id: eab317b5b8 (このIDを非表示/違反報告)
bana(プロフ) - みみさん» ありがとうございます!そう仰っていただけると幸いです! (2022年4月5日 0時) (レス) id: acb9b65eb1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:bd | 作成日時:2022年3月12日 0時