出頭 ページ24
『さて…』
唐突にかりんが立ち上がる。
3人はかりんの考えていることがわからず、頭に疑問符を浮かべた。
すると、かりんは飛影の治療を始める。
「何してるんだい!?飛影は罪人なんだよ!?」
『怪我の治療くらいいいでしょう。それに私や蔵馬だって罪人だわ』
「うぐ……じ、じゃあその処置が終わり次第飛影は霊界に連れてくよ」
「オレ達もついていきます。どの道、出頭しなければなりませんしね」
「わかったさね」
そしてかりんの処置の後、幽助を除く4人で霊界へ向かった。
霊界へつくと、飛影は別部屋に入れられ、蔵馬とかりんはコエンマと顔を合わせることになった。
「それで……オレ達はどうなるんですか?」
「お主らと飛影の判決は裁判で決められる。だが、お主らは問題なかろう。情状酌量の余地があるからな。」
『……飛影は?』
「あやつはな…ちょっと難しいのぉ」
『そう……』
「うむ…とりあえず今日話せることはここまでじゃ。結果が出次第、また改めて伝える。
かりん、じゃったな……少し、話せるか?」
『ええ。……蔵馬、今日は先に帰ってもらえる?私は大丈夫だから。』
「……わかりました。」
蔵馬が部屋を出る。
「かりん……お主は氷華の生き残りで間違いないな?」
『……だったらなんだと言うの?また私を捕えるつもり?』
「そうではない。この……霊界がしたことを詫びたくてな」
『何故あなたが謝るの?別にあなたが何かしたわけでもなければ、あなたはまだ産まれていたわけでもないでしょうに』
「それでも、霊界がやったことに変わりはないのだ。本当にすまなかった」
コエンマの様子に圧倒され、かりんは少し沈黙し口を開いた。
『もう…あれは過去の話。今更どうこうしようという気はないわ。ただ……』
「ただ?」
『その件とは関係ないけれど、彼の……飛影の判決も軽くしてほしいんです。』
「……。」
『彼も彼で壮大な過去を背負っている。私は彼を守ってやれなかった。これがせめてもの償いになるのなら……お願いします』
「…わかった。詳しい話はまたいずれ聞くとして……執行猶予や条件付免罪あたりに持っていくようにワシが掛け合ってみる」
『ありがとう、ございます。今日はこれで失礼しますね』
「うむ。呼び止めてすまなかったな。」
『いいえ…では』
かりんはその部屋をあとにした。
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作者名:唯那 | 作成日時:2017年6月20日 20時