妖気 ページ23
キーンコーンカーンコーン…
HRの終わりを告げる鐘が鳴る。
かりんは隣の蔵馬に話しかけようとする。
しかしそれは、不意に感じられた挑発するような激しい妖気に遮られた。
「!!この妖気は…」
『飛影ね…行きましょう』
「ああ」
飛影の妖気を追っていると、大きな倉庫街までやってきた
霊気と妖気がぶつかっているのを感じる。
「オレが行きます。かりんは倒れてる子の治療を」
『わかったわ……無茶はしないでよね』
一旦蔵馬と別れ、かりんは妖化しかけている者とそれを抑えている者がいる方へむかう。
『妖気を抑えるのに、霊力じゃきついでしょう。変わるわ』
「あんたはかりんかい？助かったよ」
『ええ』
しばらく抑えていると、腹部に怪我をした蔵馬がやってくる。
『蔵馬、その傷…』
「オレに代わって」
そして、蔵馬の解毒剤により螢子の額に開こうとしていた邪眼は落ち着き始めた。
『蔵馬』
「大丈夫、貫通はしているが、急所は外れている」
『ダメ。今治すからじっとしてて』
かりんが蔵馬を治し終えると、どうやら飛影を倒したらしい幽助がやってきた。
「オイ、オメェら大丈夫か？蛍子は！？」
「大丈夫、薬が効いてるよ」
「そっか、悪ィな蔵馬……」
「かりんが治療してくれたからもう傷はふさがってるし、平気さ」
「そういや、かりん…お前いつ来たんだ？」
『私は蔵馬と一緒に来たわよ』
「それより幽助、霊丸が鏡に反射するなんていつ知ったんだい？｣
「ああ？そんなのひらめきだよ、ひらめき！あいつの素早さから言ってまあ、後からでもでもうたねぇ限り当らねぇだろうとは思ってたけどな。どーしよーかと思ってたらたまたま暗黒鏡がこっち向いてたからうまくいきゃ跳ね返ってくるんじゃねーかと思ってよ」
「もし跳ね返ってこなかったらどーするつもりだったんだい！？」
「そんときゃそんとき考える！！」
『ふふ………』
「考えているようで何も考えていない。お前らしいな」
「お！？てめそりゃどーゆー意味だ！？」
「そのまんま、言葉通りの意味だろ」
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作者名：唯那 | 作成日時：2017年6月20日 20時
