満月 ページ17
満月の日。
今日はは蔵馬が暗黒鏡を使う日だ。
かりんは久しぶりに学校に来ていた。
数日前に霊界探偵と接触したらしい蔵馬と、一緒に志保利の病室へ向かうために。
HRが終わり、放課の時間になる。
「緋花莉」
『秀一……行きましょう』
「ああ」
皿屋敷中学についた。
しばらく待っていると校舎から霊界探偵が現れる。
「お、お前、蔵馬!と……」
『かりんよ。』
「思い出したぜ!俺は、浦飯幽助だ!
んで、何で二人が一緒にいるんだ?」
『クラスメイトだから。』
「それより、今日は宝を返す約束の日だろ。」
「お、おう(やべ、すっかり忘れてた……)」
「その前に君に会わせたい人がいるんだ」
「俺に?」
『とりあえず、ついてきてくれるかしら』
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病院。
何故病院に来たのかがわからず、怪訝そうな顔をしている幽助を連れて【南野】と書かれた個室に向かう。
ガチャ
「母さん」
「あら、秀一……緋花莉ちゃんも。」
母さん?秀一?緋花莉?
幽助の頭に疑問符が浮かぶ。
「珍しいわね、秀一が緋花莉ちゃん以外の子を連れてくるなんて。」
そう言いながらベッドから体を起こそうとする志保利だったが、苦しそうに咳き込んだ。
『そのままでいいですよ!横になっててください!』
「でも……」
「気にしないで。リンゴでも剥こうか?」
「いいわ……食欲ないから……」
「だめだよ、少しは栄養とらないと。いつまでたっても治らないよ?」
「はいはい、秀一は厳しいんだから……」
会話が終わるや否や、蔵馬が慣れた手つきでリンゴを剥き始める。
「(どーなってんだ、こりゃ……)」
ただ1人、幽助だけがその場に馴染めずにいた。
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作者名:唯那 | 作成日時:2017年6月20日 20時