作戦 ページ13
かりんが飛影に謝罪した日からしばらく経ったある日、蔵馬とかりんは飛影に呼ばれた。
もう1人の協力者との顔合わせも兼ねた作戦会議をするらしい。2人は、少し急いで飛影に指定された場所に向かった。
「来たか」
「遅れてすまない」『ごめんなさい』
「別にかまわん。まず、コイツが剛鬼。今回の作戦に同行してもらう奴だ。」
「『よろしく』」
飛影がすでに説明していたのだろう。蔵馬とかりんをさし、剛鬼が飛影に問う。
「コイツらか?」
「そうだ。蔵馬とかりん、お前も知っているだろう」
飛影の言葉に剛鬼が驚く。
「コイツが妖狐蔵馬ァ?!俺が聞いた妖狐蔵馬ってのは、長い銀髪と残忍な心。刃のように研ぎ澄まされた妖気を持つ妖怪って話だったが?
それに、かりんだとぉ?蔵馬の右腕で、氷のように冷たい妖気とその妖気を色に表したかのようなアイスブルーの髪を持ついい女妖怪だって聞いたぜ!?
ハンターに追われた挙句、人間界で落ちぶれたか!?」
『(好き放題言ってくれるわね…)』
心の中でかりんはそう思ったが、表には出さない。2人とも挑発には乗らなかった。
蔵馬が1歩前に出る。
『(蔵馬…?)』
「(オレに任せて…)確かにオレもかりんも前ほどの妖気はない。だが、かわりに守るべきものができた。今の自分も気に入っている。そのもののためなら前以上に強くなれるだろう。
試してみるか?」
冷たい妖気を放ちながら蔵馬が問う。
「……いや、遠慮しておくぜ」
剛鬼はその妖気を感じて怖気づいたらしい。
「そろそろ作戦会議を始めるぞ。蔵馬、かりん、作戦は決まったか?」
「あぁ。色々作戦をたててみたが、おそらくこれが最善策のはずだ。」
『説明は私がするわ。』
かりんは説明を始めた。
説明は簡潔でわかりやすく、すぐに話し合いは終わった。
「これで作戦は分かったな。決行は明日だ。」
「「『えぇ(あぁ)(おぉ)』」」
最後に一番心配な剛鬼に、説明を復唱させ解散した。
満月まであと5日……。
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作者名:唯那 | 作成日時:2017年6月20日 20時