謝罪 ページ12
翌日。
「なんの用だ」
『飛影。ごめんなさい、急に呼び出して。』
かりんは倉庫に飛影を呼び出した。
あることについて謝るために……
「俺も暇じゃない。話があるなら早くしろ」
『え、と…その……。
ごめんなさい！
貴方が捨てられるのを止めることが出来なくて……』
「……！ お前は……氷女、ではないだろう。何故そのことを知っている」
『あの時、氷女と別の種族の妖怪が一人いたのは覚えてる？』
「ああ。それがお前か」
『ええ。私と氷菜は幼なじみだったの。だから貴方を生みたいという氷菜に協力した。
けれど……ダメだった。
それからは、氷菜の最後の頼みだったあなたの妹、雪菜を育てた。ある程度雪菜が成長すると、国の長たちによく思われていなかった私は泪に雪菜を任せ、国を出たわ。私が長老達を止められていれば……そしたら貴方は苦しい思いをしないで済んだのに…！本当にごめんなさい！』
「……今日呼び出したのはその事を謝るためだけか？」
『え？』
「フン、くだらん。じゃあ、もう用は済んだな」
そう言って、飛影はその場から去ろうとする。
『飛影！』
かりんに名前を呼ばれ、立ち止まる。そして、言葉を放つ。
「…俺が捨てられたのも俺の母親が死んだのもお前のせいではないだろう。」
それだけ言うと飛影は消え、その場にはかりんが一人取り残された。
『(飛影……。ありがとう……。)』
心の中でそう呟くと、かりんも帰路についた。
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蔵馬夢なのに、蔵馬が全く出てこなくて申し訳ない……(￣▽￣;)
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作者名：唯那 | 作成日時：2017年6月20日 20時
