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それからかなり遅くまで練習した。
今度コンサートがあるから。
マネ「お前ら、今日はもう帰れよ。明日のスケジュールもあるんだし。」
EXO「はーい。」
バンに行こうと事務所の長い廊下を歩いていると
「あ、」
JD「ん?どうかした?」
「俺スマホ忘れた!」
BH「はぁ?早く取りいってこいよ。」
SH「ったく。これ鍵。先行ってるからな。」
「はーい。ごめん!」
ダッシュでさっきまでいた練習室に戻る。
「あった!」
スマホを取って鍵を閉め、メンバーの持元へ戻ろうと来た道を戻っていく。
どれくらい歩いただろう。
「あいつらはやすぎ…」
小さく呟いたその瞬間、何メートルも先の部屋から誰かが出てきた。
スタッフさんかと思い目を凝らしたその時。
「っ…?!」
一瞬時が止まったかと思った。
「アヤっ…?」
懐かしい後ろ姿が見えたから。
その人はすぐに角を曲がってしまって見えなくなる。ただでさえ距離があったのに、更に見失ってしまう。迷わず全力で走った。
会いたくて、会いたくて、会いたかった人。
彼女が曲がった角を同じように曲がれば、もうそこには彼女の姿はなくて、それでも構わず走り続けた。
…だけど、結局見つからなかった。
「っ、…」
──まただ…
また君を見失った。
あの日、あの時もこんな風に全力で走って君を探した。諦めたくなかったんだ。
確かあの時は冬の朝だった。いつもいるはずの彼女がその日に限っていなくて。周りから聞こえてくるさまざまな憶測に、俺は怒鳴ったんだっけ。
──黙れっ…!!
──お前らがあいつの何を知ってんだよっ…!
水を打ったように静まり返ったその場から飛び出して、夢中で君を探した。
でも見つからなくて。
家に帰って…それで、大泣きした
懐かしいことを思い出していると、いつの間にか駐車場に来ていた。
早いねと言うメンバーに笑って、バンへと足を進めたその時。
『あ、すいませーん。』
___バサバサバサッ
近くで大量の紙が落ちる音がして、目を向けると。
慌ててそれを集めているのは…
彼女だった──
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アリサ - ジョングク (2019年7月17日 9時) (レス) id: d938d71082 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あやテテ | 作成日時:2019年7月13日 0時