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I wanna be, ページ8

ゴールドスタイン家の末っ子設定。
ニューティナ描写あり。

**



サマーバケーションとして、渡米することに決めた。


ティナに手紙を出して、必死の思いで2人で会う約束を取り付けたのが昨日のことのようだ。
今日も今日とてじりじりと照りつける日差しさえも、空が祝福しているような気がする。


停泊場までティナが迎えに来てくれるらしく、意気揚々と船を降りて、自分の無駄に高い身長を生かして美しい黒髪を探す。


キョロキョロと首を振っていると、とんとん、肩を優しく叩かれた。
ティナだ!と確信した僕の口角は自然と上がり、それを隠すこともなく叩かれた方へ振り返る。


そこには予想通りの女性が、口元に笑みを携えて立っていた。


「ティナ!ひ、久しぶり」

「えぇ、久しぶりニュート」

「少し髪が伸びたんじゃない…?ぁ、良かったらこのあと、」

『行かないわ!』


突然僕たちの会話に割り込んだ、少女らしい高い声に驚いて言葉が止まる。
ティナの様子を窺うと、眉を下げて彼女らしくない弱々しい表情を浮かべていた。


そんな彼女に首を傾げながら声のした方へ視線を下げると、ティナの腰にぴったりと絡みついた黒髪の女の子が茶色の瞳で僕を睨みつけているのを見つける。


「クイニー…?」


そう、その少女は友人のクイニーとよく似ていた。でも髪色と瞳の色はティナだし、その違和感と13歳くらいのクイニーに睨みつけられているような感覚とで全く落ち着かない。


まるで警戒心丸出しの猫のような女の子の頭を、ティナの女性らしい手が撫でる。


「Aよ。私たちの妹なの」

「…驚いた。君たち三姉妹だったんだね」

「そうよ。グリンデルバルド絡みのとき、この子はイルヴァーモーニーの寮にいたから、ニュートとは会ったことが無かったの」


ね、A。
女の子__Aは、さっきまでの鋭い視線と打って変わって嬉しそうにティナの掌に頭を擦り付けた。


彼女にとってティナとクイニーは、親で、姉妹で、唯一の家族で、かけがえのない存在なんだろう。


出来るだけ人の良い笑顔を作って、Aの視線と合うようにしゃがみ込む。
ちょっと後ずさられて傷ついたけど、ぐっと堪えて唇を開いた。



**

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木菟(プロフ) - まいまいさん» ほんとですか…!!ほっとしました…もしよろしければ続編の方もご愛読下さると嬉しいです!ありがとうございました! (2022年5月19日 22時) (レス) id: 2546c4f173 (このIDを非表示/違反報告)
まいまい(プロフ) - ありがとうございます!すごく素敵で良かったですˊᵕˋ♡ (2022年5月15日 15時) (レス) id: 2c18e857c2 (このIDを非表示/違反報告)
木菟(プロフ) - kikuchi51さん» kikuchi51様、コメント、ご愛読ありがとうございます!!勿体無いお言葉です…ありがとうございます……!!!アンケートを作成しましたので、是非ご投票お願い致します! (2022年5月15日 14時) (レス) id: 2546c4f173 (このIDを非表示/違反報告)
木菟(プロフ) - まいまいさん» お待たせしましたー!ぐだぐだした終わり方で申し訳ない……リクエストありがとうございました! (2022年5月15日 14時) (レス) id: 2546c4f173 (このIDを非表示/違反報告)
木菟(プロフ) - ムスメ3さん» ありがとうございますー!ぐだぐだしたプロポーズが彼らしいかななんて……原作ではどうティナちゃんとくっつくのか楽しみです! (2022年5月15日 14時) (レス) id: 2546c4f173 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:木菟 | 作成日時:2022年4月23日 20時

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