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『こんばんは、ニュート』
友人代表挨拶の練習に意識を集中させていたニュートは、突然降ってきたAの声にガバッと顔を上げた。
丸くなった蒼い瞳と、Aの翡翠の瞳が交差する。
「驚いた。間に合ったんだね」
『えぇ。貴方のお兄さんに手伝って頂いたお陰で』
「…あぁ、だからちょっと疲れてたんだ」
『ふふ、局長には後でもう一度謝罪しなきゃ』
会話が途切れる。
久方ぶりに恋人に会い、お互いが普段とは一味違った服装なのだから当然といえば当然なのだが。
『…その、タキシード似合ってるわ。凄く』
「あ、ありがとう。…君も、すごく綺麗だ。ルーマニア・ロングホーン種の鱗みたいで、」
『ありがと…』
付き合って数年経つのに、未だに褒めたり褒められたりするのに慣れていない彼らは、まるでティーンのように頬を染めて微笑み合う。
しかし、その甘ったるい雰囲気は、彼らに最も関わりのある男が打ち破った。
「おい2人とも。そろそろ式が始まるぞ……お邪魔だったか?」
「……兄さん」
『ボス。ご挨拶が遅れて申し訳ありません』
「あぁいや、勤務外だし楽にしてくれ。…あー、その、ラリーたちが呼んでたぞ」
すぐに行きますわ、と途端にパッとニュートのもとを離れ、店の中央へ行ってしまうAの背中を目で追ったあと、ニュートはじっとりとした視線を兄に向ける。
遠くでAのティナやラリーとの再会を喜ぶ声が聞こえて来る。
「タイミング考えてよ」
「すまん」
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木菟(プロフ) - まいまいさん» ほんとですか…!!ほっとしました…もしよろしければ続編の方もご愛読下さると嬉しいです!ありがとうございました! (2022年5月19日 22時) (レス) id: 2546c4f173 (このIDを非表示/違反報告)
まいまい(プロフ) - ありがとうございます!すごく素敵で良かったですˊᵕˋ♡ (2022年5月15日 15時) (レス) id: 2c18e857c2 (このIDを非表示/違反報告)
木菟(プロフ) - kikuchi51さん» kikuchi51様、コメント、ご愛読ありがとうございます!!勿体無いお言葉です…ありがとうございます……!!!アンケートを作成しましたので、是非ご投票お願い致します! (2022年5月15日 14時) (レス) id: 2546c4f173 (このIDを非表示/違反報告)
木菟(プロフ) - まいまいさん» お待たせしましたー!ぐだぐだした終わり方で申し訳ない……リクエストありがとうございました! (2022年5月15日 14時) (レス) id: 2546c4f173 (このIDを非表示/違反報告)
木菟(プロフ) - ムスメ3さん» ありがとうございますー!ぐだぐだしたプロポーズが彼らしいかななんて……原作ではどうティナちゃんとくっつくのか楽しみです! (2022年5月15日 14時) (レス) id: 2546c4f173 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:木菟 | 作成日時:2022年4月23日 20時