MY SWEET SIBLINGS!!! ページ26
***
《A、聞こえるか？》
カバンの中に入れておいた両面鏡から声が聞こえる。この鏡と繋がっているのは、血を分けた実の兄、テセウスだ。
『聞こえるわ。どうしたの？』
取り出した鏡には、どこかの曲がり角で少し焦ったような顔をした兄の姿がありありと写っている。
《僕の机の上に書類がないか？》
『書類？』
その言葉に両面鏡を持ってテセウスの部屋を覗けば、確かにテーブルの上にぽつんと茶封筒が乗っていた。
『あぁ、あるわね。必要なの？』
《そうなんだ。ただ、今手が話せなくてな…休みの日に申し訳ないんだが、持ってきてくれないか？》
珍しい話もあったもんだ。いつもは前日にきっちり準備を整えて、ついでに私にも明日の準備は済んだのかとしつこく聞いてくるくせに。
まぁそんな意地悪を言うほど子供ではない、というかいい年した大人なので、『分かった』と返事をしようとした。
が、もう1人の兄の存在を忘れていた。
書類を持って、部屋で着替えてこようと振り返ると、ドアのところに私と同じブロンズの天然パーマが壁に寄りかかって立っている。
「どっか行くの？」
『テセウスが書類を忘れたみたいだから届けに行くのよ』
「えぇ…せっかくAが休みだっていうから遊びにきたのに」
三十路が不貞腐れるな。
『ならニュート兄さんが行く？』といえば即座に首を振った。上の兄たちが何故ぎくしゃくしているのか。この前和解したんじゃなかったのか。
「可愛い妹と2人で過ごせると思ったのにな」
『ですってよ、テセウス』
《僕を除け者にするなよ》
「兄さんは半年に1回でいい…」
そもそも性格的に合わないのかもしれない。社交的なテセウス兄さんと、人より動物が好きなニュート兄さん。いくら家族と言ったって1人の人間なのだから、馬が合わないのも不思議じゃない。
ただ、たまにテセウスが可哀想になるときもある。
聞いた話、テセウスがニュートをディナーに誘って了承されたことは今まで無いらしかった。いつもふにゃふにゃフラフラしてる割に、キッパリと断る能力はあるらしい。テセウス限定かもしれないけど。
『いいじゃない、一緒にいきましょうよニュート。ランチ奢ってもらいましょ』
「う"ぅ〜…ん…」
『…テセウス兄さん、ニュートになんかしたの？』
《僕は無罪だ》
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木菟(プロフ) - まいまいさん» ほんとですか…!!ほっとしました…もしよろしければ続編の方もご愛読下さると嬉しいです！ありがとうございました！ (2022年5月19日 22時) (
レス) id: 2546c4f173 (このIDを非表示/違反報告)
まいまい(プロフ) - ありがとうございます！すごく素敵で良かったですˊᵕˋ♡ (2022年5月15日 15時) (レス) id: 2c18e857c2 (このIDを非表示/違反報告)
木菟(プロフ) - kikuchi51さん» kikuchi51様、コメント、ご愛読ありがとうございます！！勿体無いお言葉です…ありがとうございます……!!!アンケートを作成しましたので、是非ご投票お願い致します！ (2022年5月15日 14時) (レス) id: 2546c4f173 (このIDを非表示/違反報告)
木菟(プロフ) - まいまいさん» お待たせしましたー！ぐだぐだした終わり方で申し訳ない……リクエストありがとうございました！ (2022年5月15日 14時) (レス) id: 2546c4f173 (このIDを非表示/違反報告)
木菟(プロフ) - ムスメ3さん» ありがとうございますー！ぐだぐだしたプロポーズが彼らしいかななんて……原作ではどうティナちゃんとくっつくのか楽しみです！ (2022年5月15日 14時) (レス) id: 2546c4f173 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：木菟 | 作成日時：2022年4月23日 20時
