王子さまじゃない ページ20
ネタバレ
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「ねぇクイニー」
1人でに旋律を奏でるピアノが置かれたとあるパブの中、クイニーと2人になれるタイミングを見計らって、ニュートは彼女に声をかける。
かつてグリンデルバルド側についていた彼女にしか聞けないことだった。
「なにかしらニュート。……A・アルバーンなら知ってるわよ。むしろどうして貴方が…」
「…やっぱり、彼女はそっちに居るんだね」
「……まぁ、Aと友達だったの?そう、ハッフルパフの…」
クイニーがそっとその長いまつ毛を伏せる。
Aはホグワーツのときからの彼の友人だった。
成長する過程で一瞬たりとも捻くれなかったのか、真っ白なキャンパスのようにピュアで、大人になっても素直に王子様に憧れていると言えるくらい純粋な女性。
純粋すぎて色んな人を信用してしまうような子で、ニュートにとって手のかかる娘のようだった。Aもときどきあまりにもニュートが自分の世話を焼くものだから、ふざけて彼をママと呼んだりしていた。
大人になってもちょくちょくトランクにも遊びに来ていて、1番付き合いの長い友人だったのだが、ここ1、2年ぱったり連絡が途絶えていたのだ。
そんな矢先、ダンブルドアからニュートへ連絡が来た。
____Aが、グリンデルバルドのもとにいる。
信じられなかった。だって彼女は博愛主義で、マグルも魔法生物も魔法使いも皆平等に愛していたはずなのに。
「彼女、博愛主義のままよ」
「え、」
「なんていうか…優しすぎるのね。それが高じてグリンデルバルドまでも愛したのよ」
もちろん私のこともね。
困ったように、でも嬉しそうにクイニーが笑う。
「でもグリンデルバルドはそんな彼女の優しさを偵察要員として利用していたわ。…Aって、メジロの動物もどきなのね」
「あぁ、その通りだよ。…偵察要員、なるほどね。確かに適任だ」
皮肉混じりにニュートが吐き捨てる。
彼女はとても優秀で、なぜレイブンクローじゃないのか不思議なほどだった。なんたってAは学生の時に動物もどきを習得したのだから。
ぎゅ、と拳を握りしめるニュートを見かねてか、クイニーが優しく囁く。
「大丈夫、Aは無事よ。彼女の愛はグリンデルバルドに響いてないけど、間違いなく彼のお気に入りだから」
「…それは、喜んでいいのかどうか分からないな」
「あら、なら私が彼女の居場所を知っていると言ったら喜んでくれるのかしら」
「君って最高だよクイニー」
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木菟(プロフ) - まいまいさん» ほんとですか…!!ほっとしました…もしよろしければ続編の方もご愛読下さると嬉しいです!ありがとうございました! (2022年5月19日 22時) (レス) id: 2546c4f173 (このIDを非表示/違反報告)
まいまい(プロフ) - ありがとうございます!すごく素敵で良かったですˊᵕˋ♡ (2022年5月15日 15時) (レス) id: 2c18e857c2 (このIDを非表示/違反報告)
木菟(プロフ) - kikuchi51さん» kikuchi51様、コメント、ご愛読ありがとうございます!!勿体無いお言葉です…ありがとうございます……!!!アンケートを作成しましたので、是非ご投票お願い致します! (2022年5月15日 14時) (レス) id: 2546c4f173 (このIDを非表示/違反報告)
木菟(プロフ) - まいまいさん» お待たせしましたー!ぐだぐだした終わり方で申し訳ない……リクエストありがとうございました! (2022年5月15日 14時) (レス) id: 2546c4f173 (このIDを非表示/違反報告)
木菟(プロフ) - ムスメ3さん» ありがとうございますー!ぐだぐだしたプロポーズが彼らしいかななんて……原作ではどうティナちゃんとくっつくのか楽しみです! (2022年5月15日 14時) (レス) id: 2546c4f173 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:木菟 | 作成日時:2022年4月23日 20時