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それからは特に何かあるわけでもなく、ヒッポグリフの世話の手伝いをしたり、ホグワーツからこっそり連れてきていたボウトラックルのピケットと戯れたり、至極平和な日々を送っていた。
隣にはいつもAが居たわけだけど、人にこんなに好かれるなんて久しぶりで、悪い気なんかするはずない。
闇祓いである彼女の両親は夏休みなのにも関わらず、仕事で日本に飛んでしまったらしい。娘を僕たちに預けて。
思うところが無いわけではないけれど、まあ大人には大人の事情があるのだろう。
基本的にAはいい子で手のかからない子だった。特に僕にちょっかいを出すわけでもなく、7歳にしては分厚すぎる本を持ち込んで部屋の隅で黙って本を読む。
こっちに来ていいんだよ、と声をかけても、隅っこが落ち着くの!と笑うだけ。
夕食時、夏休みくらいしか家族が揃わないんだからと母親はみんなでテーブルを囲むのを望んだ。少し気まずそうにしていたAだったけれど、今ではすっかり馴染んでいる。
「ねぇ、Aはニュートのどこを気に入ったの?」
母親がわくわくとAに尋ねるのを聞いて、夕飯の白身魚が気管の変なところに入った。自分以外男しかいなかったこの家に幼い女の子が来たことに大層喜んでいた母だったけど、もしや娘と恋バナしたかった、なんて言うんじゃないだろうな。
『そうね…』
ゴホゴホと咽せこむ僕を他所に、Aが大人ぶって短い指を薔薇色の頬に当ててみせる。
『こう、ビビッときたのよ!うんめいってヤツね』
あぁ、最近の子はなんてませてるんだろう。
思わず頭を抱えたくなった。
「まぁ!ならいつかニュートをお婿に貰ってあげてね」
「6つも年下の子に何言ってるの…」
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木菟(プロフ) - まいまいさん» ほんとですか…!!ほっとしました…もしよろしければ続編の方もご愛読下さると嬉しいです!ありがとうございました! (2022年5月19日 22時) (レス) id: 2546c4f173 (このIDを非表示/違反報告)
まいまい(プロフ) - ありがとうございます!すごく素敵で良かったですˊᵕˋ♡ (2022年5月15日 15時) (レス) id: 2c18e857c2 (このIDを非表示/違反報告)
木菟(プロフ) - kikuchi51さん» kikuchi51様、コメント、ご愛読ありがとうございます!!勿体無いお言葉です…ありがとうございます……!!!アンケートを作成しましたので、是非ご投票お願い致します! (2022年5月15日 14時) (レス) id: 2546c4f173 (このIDを非表示/違反報告)
木菟(プロフ) - まいまいさん» お待たせしましたー!ぐだぐだした終わり方で申し訳ない……リクエストありがとうございました! (2022年5月15日 14時) (レス) id: 2546c4f173 (このIDを非表示/違反報告)
木菟(プロフ) - ムスメ3さん» ありがとうございますー!ぐだぐだしたプロポーズが彼らしいかななんて……原作ではどうティナちゃんとくっつくのか楽しみです! (2022年5月15日 14時) (レス) id: 2546c4f173 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:木菟 | 作成日時:2022年4月23日 20時