-カスミソウ-7

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-向井-




結局Aの口から取れたのは、どこかに紛れ込んでいたのか、小さい指人形。





『おもちゃ箱に紛れ込んでてたんかなぁ』





小児科病棟に入院してる子って赤ちゃんから高校生までいるから、指人形ぐらい小さいおもちゃは飲み込んじゃう可能性あるってことで普段誰でも遊べるおもちゃ箱に入れてなくてちゃんと分けてある。






けど何かの拍子に混ざっちゃったんやろなぁ。






A「ふぇぇん(泣)」



深「苦しかったねぇ」






苦しかったのと声が出せない、呼吸ができない恐怖で大粒の涙を流してふっか先生に手を伸ばすA。






深「抱っこしてあげるからちょっと待ってね〜、バイタル先測ろうか」



『ちょっと血圧測らせてなぁ…よっしゃOK！ばっちりや！』



深「よいしょっと〜…もう大丈夫だからね〜〜」



A「ふぇぇん(泣)こあかったぁ(泣)」



『そうだよね、怖かったよね〜…』



佐「これ引っかかってたの相当苦しかっただろうね」



『胃に落ちてなかったのが幸か不幸かって感じやな…』






食道通って飲み込んじゃってたらそれはそれで内視鏡で取らないといけなくなる。






苦しかっただろうけど、バイタルに問題なくてこれぐらいの処置で済んだのは良かったことにせんとなぁ。






深「康二〜、時間ある時でいいからプレイルームのおもちゃ箱もう一度確認しといてもらってもいい？」



『任せてや！また変なもの混ざってないか確認しとくわ！』



佐「俺カルテに記録入れとくわ」



深「ありがと佐久間」






ふっか先生は大粒の涙が止まらないAを抱っこして病室へ戻っていった。

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