５０日目~じゅうよん~ ページ6
髭ズラは私の前から消えたと思ったその瞬間私の目の前に現れた
もう手遅れだった何をしようとしても無駄だった
気づいた時には私はまたまた吹っ飛ばされていたから
今度は顔を傘で殴られた
いったいなぁもう顔はやめてよね歪んじゃったらどうするのこれ以上ブスになったら責任とってもらうからね
って言おうとしたんだけど声が出なかった
目も周りは霞んで見えるし
遠くで新八くんの神楽ちゃんが叫ぶ声が聞こえる耳はちゃんと機能してるみたいだね
またまた手放した緑水を持ってこっちに来る髭ズラ
ああまた私は愛刀で刺されるのか
そう思い目を閉じた
グサリ
という音だけが私の耳に届いた
そこからの記憶はない
*
"だからいったじゃん
僕に任せとけば大丈夫だって"
"誰...?"
”あ、ひどい忘れたの?
もうひとりの僕だよ、飛高A、忘れちゃった?"
"...助けて"
"...珍しいこともあるもんだねぇ"
"お願い、助けて...2人を助けて"
"姫の仰せのとおりに"
*
*新八side*
僕達の周りを囲っていたバリアみたいなものが急に消えた
向こうに倒れているAちゃん
あのAちゃんがこうも一瞬にやられるなんて
早く手当しないと手遅れになる!!
そう思い向かおうとしたら立ちはだかる敵
僕も戦わなきゃ...
そう思うと同時に飛んでいった敵
隣を見ると神楽ちゃんがいた
そこから神楽ちゃんと相手の夜兎の戦いが始まった
僕はただただ見ている事しか出来なかった
その時神楽ちゃんがお腹を蹴られ腕を踏まれ、神楽ちゃんが悲鳴をあげた時僕はやっと体を動かすことが出来た
相手を刺す
しかし...刺した方の腕はなかった
そして天井に押し上げられる
お腹を抑えられているから苦しくてお腹の中のものが出てきそうで死にそうだった
敵が喋っているけど何を喋っているのかもう聞き取れなくなった
『離しなよ、その手』
聴こえなくなった耳にスッと通ってきた凛とした声
バキっと折れる薙刀の持ち手
その瞬間床に落ちる僕
助けてくれたのはAちゃん
しかし、何かがいつもの彼女と違った
『離しなよ、その足
離してよ、僕の大切な人の妹なんだ』
着物はボロボロ、体も傷だらけ
お腹や腕からは血がダラダラ出ている
こんな状態で人間は立って喋れるのか...?
それに...僕の大切な人の妹ってどういうことだ...?
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