花の名前５５ ページ7
金属の音が響いて、扉を開ける
扉を開けた先には
シンプルな家具がおいてあるだけの、広くて無機質な空間
私はそのまま、ソファに寝そべる
疲労とストレスのせいか、眠気がすごくて疲れが押し寄せてくる
万里…来たらインターホン押すよね…
目を覚ますと
＜やっとおきた＞
目線の端には夢で見た幼い私
真白「また出た、どうせまた夢なんでしょ…」
そういって、私はソファから立ち上がり
真白「今回は糸で操られて無いんだね」
＜早くあの人の元に帰って＞
真白「またでたよ…口をつければあの人あの人って…」
＜何をそんなにイラつくことがあるの？
だってこの思想も感覚も、過去のアナタの「だから嫌いなんだよ」…？＞
真白「全部過去の自分が考えてたことも、波野の言いなりだったことも
＜そんなこと言ったって無駄って、この前いったでしょ？＞
真白「んなことわかって言ってんだよッ！！」
私は今までだした事の無い声で怒鳴る
真白「でも…
なにかしなきゃ…少しでも抵抗しなきゃ、生きた心地がしないんだよ
もう、そっちには帰らないためにも…」
＜いきたここち…？＞
マリアは驚いたようにいう
＜そんなの、魁様に尽くすこととまったく関係ないこと
そんな事、感じたってなんの役にも立たない＞
真白「うるさい」
＜私たちは人形＞
真白「違う…！」
＜すべては魁様のために＞
真白「そんなの人間じゃない！」
＜どうせ口だけで魁様の言うことには逆らえないくせに
どうせ、あの彼氏だって…今のアンタのことをいつか魁様みたいに人形扱いして操るときが来るんだ！＞
真白「黙れッ！！！」
怒りが収まらなかった
気づけば私はマリアをソファに押し倒し、首を絞めようとしていた
真白「万里はそんなじゃない！」
＜…ほら、こうやって命乞いさせようとして主導権を奪う
アンタも魁様もおんなじなんだよ＞
真白「ちがッ！」
思わず手を離すと
＜何も違わない、すべて同じ
アンタも、あの人も、私だって＞
形勢逆転、マリアが私を押し倒して、小さな手で私の首を絞める
《真白！》
＜…あと少しだったのに
まあいい、ばいばい＞
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作者名：たむ | 作成日時：2019年3月23日 16時
