花の名前５４ ページ6
気づけば幼い私の姿はなく、目の前には波野さんが立っていた
僕に操られなきゃ何も出来ない事くらい
君もわかっているだろう?
波野さんの操る糸が再び私に巻きつく
なぁ?
僕の
真白｢＿＿＿はぁッ｣
私は肩で息をしながら勢い良く体を起き上がらせる
息切れのせいで苦しい
至｢だいじょぶ？｣
少し目線を上げると
お兄ちゃんが梯子を上ってベットに座っていた
前髪を上げていたから、たぶんゲーム中だったのだろう
私はメモ帳をとろうとすると
至｢いや、いいよ、頷いてくれるだけで
怖い夢でも見た？｣
私はコクリと頷く
至｢そっか、鮮明に思い出せる感じ？｣
私はまたコクリと頷く
至「それほどか」
お兄ちゃんはそういって私の頭に手を乗せて優しく撫でる
私は気づけば瞳から涙を零していた
至「ちょ、泣くほど嫌だった？」
私は涙を拭って首を振る
至「…落ち着くまでこうしてあげる」
お兄ちゃんは優しく私を抱き寄せる
万里に怒られそうだけど…
兄妹だから大丈夫だよね
そう思い、私はお兄ちゃんに抱き寄せられたまま静かに泣いた
明日がオフでよかった
とある、撮影終わりの帰り道
今日は迎え無しか…
しょうがない、歩きで帰るか
そこまで遠くないし
と思い、私は寮に向かって歩き始めた
人の少ない大通り
ばれないように深く帽子をかぶる
その瞬間、夜道にシャッター音が響く
私は後ろを振り返って辺りを見渡すと、電柱に人影が
なんかつけられてるっぽい
今日は実家のマンションに帰るね
太一まっちゃん大丈夫ッスか?!
いづみ何もされてない!?
盗撮されただけ、物理的には何も
臣危ないから早めに帰れよ?
はーい
さてと
スマホの画面を閉じようとすると
万里からLIMEがきた
BANRI.今からそっち行くから
1人でも大丈夫だけど
BANRI.盗撮されてる時点で大丈夫じゃねぇだろ、いいから待ってろ
はいはい
私は急ぎ足でマンションに入って部屋につき
オートロック式の扉にカードキーを差し込む
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作者名：たむ | 作成日時：2019年3月23日 16時
