花の名前９６ ページ48
話し終わると、舞台に上がってきた万里は私を引き寄せて抱きしめた
万里「俺、記憶無くして思い出したことがもう一つあるんだよ」
真白「どんな事」
万里「…お前の事が好きになった事」
万里が私の手を握って言う
真白「なにそれ」
万里「記憶無くしてた時、お前に付き合ってるか聞いただろ」
真白「うん」
万里「お前、付き合ってないっていっただろ」
真白「…うん」
万里「あの時に思い出したんだよ、お前の事どう好きになったか」
真白「…」
万里「最初に気になったのは高校の時、屋上で話し始めてちょっと経った頃」
真白「あの時の私、万里嫌いそうだと思ってた」
万里「最初は確かに気に食わなかった、けど話してみると印象が変わった
先生の愚痴も言うし、世間話もする、ごく普通の人間なんだなって思ったらいつのまにかな」
真白「ふーん…万里、よく女子に囲まれてたけど興味ない感じだったから。私の事も興味なさそうだなと思ってた」
万里「お前は？いつから俺の事好きになったんだよ」
真白「……万里が寮に誘ってくれた頃から」
万里「なんで」
真白「…クラスメイトとか…私の事アイドルだからって勝手に高嶺の花みたいにしてて
高嶺の花だから自分は関われないみたいな人が増えて、みんな私と向き合おうともしないで
私思っちゃったんだよ、これじゃ波野の時とおんなじで独りぼっちだってことにさ
でも万里は違ったじゃん
私が作った分厚い壁を無理矢理こじ開けてでも私と向き合おうとしてくれてた」
万里「伊達に三年間屋上で話してないだろ」
真白「…万里、ありがとね」
万里「…こっちのセリフだっつの」
万里がそう言うと
舞台の中心で、私たちはキスをした
〜撮影スタジオ〜
まさかまた飛鳥川と組まされるなんて
まぁ好都合だな
どうせあの子から絡んでくるだろうし
ここ「みかみんセンパーイ！」
ほらね
真白「あぁ、こんにちはここちゃん」
ここ「センパイ、また話があるんですけど」
真白「いいですよ、私も話したいことがあるので
撮影が終わったらね」
ここ「センパイ、また私たちになんかしてきました？」
真白「あぁ、あいつ、記憶が戻ったんですよ
で、あいつが復縁迫ってきたので私はそれに答えてあげただけです」
ここ「嘘でしょ…」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 15人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：たむ | 作成日時：2019年3月23日 16時
