何と名付けて飾ろうか Ⅱ【摂津万里】 (ページ42)

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花の名前９０ページ42

万里「真白」

万里は廊下を歩く足を止め、私の名前を呼ぶ

真白「何？」

万里「ポートレイト、わざと荒れてたときの言わなかったろ」

真白「なんでそう思ったの？」

万里「さぁな、あれ以上言ったら辛すぎるからか？」

当たりだ

真白「そう、重たすぎるのもどうかと思ってさ
で？もっかいポートレイト発表しろって？」

万里「いや、俺に教えろよ
さっき、お前の事について考えてみたけどよ
俺…お前の事あんまわかってやれてなかったんだな」

万里は俯いてそう言う

真白「…わかった
じゃあ、こんどゲームしながら話すよ」

ー数日後ー

真白「私ゲームしながらって言ったよね、なんで私達ＭＡＮＫＡＩ劇場にいるわけ」

言う準備が整ったと、そう言った

したら万里は即座に「出かけるから準備しろ」と言ってきて

手を引かれて連れてこられたのはこの劇場だった

万里「やるならやっぱここだろ」

真白「万里にだけ言うんなら部屋でもよかったじゃん」

万里「俺はここがいいんだよ、そのために監督ちゃんたちに許可取ったしな」

真白「……」

私はそういう万里を少し睨み、とある席に向かう

そんな私に万里も続く

真白「ここが銀二を見たときの私の席
万里が今まで演じてた役の中で、私は茂木が一番好きだな」

また私は席を変える

真白「ここは異邦人の時の席
十ちゃんからどんな役か聞いてたけど、初めて見たときは驚いたっけ
あの摂津くんがこんな役もできるんだって」

万里「あのってなんだよ」

真白「さあ」

また席を変える

真白「それで

ここが、ピカレスクの時の席
初めて私が万里の演技を見て、その演技に魅了されて、目が離せなかった席。
だから万里も、この席で私を見てて。私だけ見てて。」

万里の目を見て私はそう答えた

波野のところから抜け出して早一年

私もだんだんと感情も人間にもどっていって、落ち着いてきた頃

鈴弥「真白、学校に行こう？」

真白「学…校…？」

その頃の私は四年生くらいだっただろうか

鈴弥「勉強しにいくところだよ」

前々からご近所にこそこそ言われていたのは気づいていた

鈴弥を悲しませたくない

真白「いく…」

鈴弥「よかった、じゃあ筆箱とか買いに行こう」

真白「…うん」

まともに話せるようになったのもこの辺りからだ

そして月日が経ち、近所の小学校に入った

先生「自己紹介できるかしら？」

真白「はい、月見真白…です。よろしくお願いします」