花の名前８９ ページ41
万里「…っ」
やべ、唇切れてること忘れてた…
真白「…私が嚙んだとこ…？」
真白は心配そうに俺の唇をそっとなでる
真白「…ごめん……いたい？」
万里「あー…まぁちっとヒリヒリするだけでどうってことねえよ」
そう言って俺はまた真白にキスをする
万里「キスくらいはできるしな」
俺がそう言うと真白はふんっとそっぽを向く
万里「少し寝ようぜ、他の奴らが起きるまで、一緒に」
真白「ん…」
そう言って俺と真白は倒れるように布団に寝転がって抱きしめあいながら眠りについた
真白「で？起きて早々なに？」
万里「最近髪伸びてきたから切ってもらいてーなーと思ってよ」
真白「いづみちゃんとかいるじゃん
臣とかも切ってくれるだろうし」
万里「そこは恋人にやってもらいてーだろ。お前器用だし」
真白「…じゃあ、私の髪も万里が切って」
万里「おう、てかお前それ以上切るのか？」
真白「うん」
万里「…りょーかい、じゃあ先に切ってやるよ」
なんだ今のちょっとした間
＿脱衣所＿
万里「お前の髪ってマジさらさらしてるよな」
万里は私の髪を梳かしながら言う
そういや、波野以外に髪梳かして貰うの初めてだな
真白「そう？この前いづみちゃんにも言われた」
万里「なんかケアしてんのか？」
真白「別に、ヘアメイクの人がおすすめって言ってるシャンプーとか
基礎的なのはやってるけど」
万里「ヘアメイクの人のおすすめって、決行高そうなヤツじゃね？」
真白「でもアイドルとしては必要な出費だよ
まぁ殆どママの遺伝だと思うけど」
万里「お前の母さん最強じゃねえか」
真白「うん、鈴弥も髪さらさらだよ」
万里「遺伝だな」
真白「でしょ」
万里「…」
万里は黙って切れたであろう私の髪を触っている
真白「切れた？」
万里「切れた」
真白「じゃあ交代ね」
万里「お前ってほんと器用だよな」
真白「知ってる」
手際がいいのは認める
真白「はい、できた」
万里「はえーな」
真白「…」
私は、椅子に座っている万里の頭に…
手をのせわしゃわしゃと撫でる
万里「なにして…っ」
真白「どんだけ私の髪好きだよ」
万里「はぁ？」
真白「今回私が切った理由、前の自分捨てるためだから
それと…」
万里「？」
真白「私の髪が大好きな万里クンへの嫌がらせ」
万里「お前な…」
真白「ふふん」
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作者名：たむ | 作成日時：2019年3月23日 16時
