何と名付けて飾ろうか Ⅱ【摂津万里】 (ページ37)

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花の名前８５ページ37

美香はそう言ってまたフードを被り、この場から離れようとするが

俺は美香の手を引いて言う

万里「付き合う条件1つ目、もう喧嘩はしないこと、お前が言ったんだろ？」

美香「え…なんで…」

美香の言葉を遮るように、美香にキスをした

やはり、こことしたときとは違い胸焼けするほど甘かった

すると、美香がキスをしていた俺の唇を噛んだ

噛まれたところが痛み、反射的に唇を離した

美香「思い出したの…？」

美香は俯いてそう呟く

万里「まだ完全ではないけどな、さっきこれだけ思い出した」

美香「…なんだ」

万里「…お前、何でそんなに俺と別れたがるんだよ。俺ら、恋人なんだろ」

美香「……」

万里「それともお前は、俺の事好きじゃなかったのか？」

美香は下唇を噛みしめて涙を流してる

美香「……私も…万里の事愛してるよ」

万里「じゃあなんで…」

美香「でも、私の愛した摂津万里は…」

美香は俺と目を合わせて言う

美香「どこか行っちゃった…」

涙を溜めたその目は、ちゃんと俺を映している筈なのに

何も見えていないような暗さを纏っていた

万里「…そ…っか…、お前が愛してんのは…俺じゃねえんだな…」

あ？なんだ？意識が朦朧として…

真白「え？どうしたの、万里…万里？」

どうやら、土砂降りの雨で熱が出たのだろう

俺は真白に体重を預け、意識が途切れた

～真白side～

は？こいつ寝やがったんだけど

なんなの、なにがしたかったの？

…あれ

こいつの体熱いな…熱、出たのかな…

真白「私なんかのためにこんな事するからだよ、ばか」

とりあえず、援護呼ぶか…

私は万里のスマホを借りて、十ちゃんに電話する

prrr

十座《もしもし、摂津か？》

真白「私、ごめん十ちゃん、臣とこっち着てくれる？場所は…」

十座《…わかった》

真白「うん、ありがと」

十座「真白」

真白「きてくれてありがと、早速コイツ運んでくれない？」

臣「わかった、ほら万里いくぞ」

そういって臣は万里の肩に腕を回し、支えるように歩みだす

十座「行くぞ、真白」

真白「うん…痛ッ」

足に鋭い痛みが走る

臣「大丈夫か、真白？」

真白「ちょっとひねったみたい」

十座「…おら、真白」

十ちゃんはおんぶしてやるといわんばかりに前にしゃがみ込む