花の名前８３ ページ35
万里「げつと…？」
友人B「摂津聞いたことねえの？」
友人A「ヤンキーだよ、けどかわっててさ…夕日が完全に沈んだ頃に出るっていう
結構津つえーって噂だぞ、お前もやられた兵頭と同じ強さってかそれ以上」
万里「月兎とか、中２がつけたみてぇな名前だな」
友人A「当の本人は名乗ってないし、本名もわからないし、性別もわかんないっぽいぞ
由来は月が出たころに出てくるからと、兎みたいに赤い目らしいぞ」
友人B「それが…俺、中学の時ヤンチャしててさ…会ったんだよ…月兎」
友人A「マジかよ、どんなだった！？」
友人B「それが、黒いシャツに多分黒いショーパンに黒いタイツにパーカー
顔はパーカーのフード深く被っててよく見えなかったけど…名前の通り赤い目してた
体は細身で力もヤバかったな、蹴りも骨折れるんじゃないかと思った…
俺は女だと思う」
友人A「でも、女だったら脚力ヤバくないか？」
話を聞く限り、密さんか三角しか浮かばない
友人B「でもあんま筋肉質でもなかったぞ」
そのまま話はつづき
友人A「まぁ各々夜道には気をつけようってことで」
そんな一言で話は終わった
＿寮＿
夕飯後
いつも通り至さんにゲームに誘われ、103号室に入ると
ゲームには参加しないが、いつもソファの端で画面を見つめている美香がいなかった
万里「至さん、美香は？」
至「ん？あぁ、なんか用事があるって着替えて出てったよ」
なんでこんな時間に…
時計を見てみると７時を過ぎるころだった
そういや…
【夕日が完全に沈んだ頃に出るっていう】
もし、その月兎が女だったら…
もし…月兎が美香だったら…
その時、柄にもなく焦っている自分に驚いた
わからないが、月兎と会えということらしい
万里「わりぃ至さん、ちょっと用事できた」
至「そ、いてら」
たしかあいつらが言うに、出てくるのは路地か人通りの少ないとこか…
もともと今日は雨で人通りは少ない
「お〜、万里じゃん」
そんな時横から声が聞こえた
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作者名：たむ | 作成日時：2019年3月23日 16時
