何と名付けて飾ろうか Ⅱ【摂津万里】 (ページ32)

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花の名前８０ページ32

万里side

＿三日後＿

なんとか無事退院して

寮に戻ってきて

ゲーム音が鳴る部屋の中、俺は至さんに声をかけた

万里「なぁ至さん」

至「どした」

万里「最近美香が俺のこと避けてるように思うんすけど」

至「…お前、マジで覚えてないのな」

至さんは真剣な顔をして言う

覚えてないとは、何の事を言っているのだろうか

万里「…覚えてるっちゃ覚えてるけど、途切れ途切れなんで何が何だか」

至さんはあきれたようにため息をつき、ソファに寄りかかる

至「まぁ自分で思い出すのが一番でしょ、俺達が教えると誰かさんの苦労が水の泡だし」

万里「？」

その誰かを知るのは、結構後になりそうだ

そのとき

prrrr

と、電話が鳴った

万里「あ、俺のっすわ…もしもし、あぁここか」

至「…こりゃ真白もハードモードじゃ済まされないな」

真白side

いつも通りの土曜日

月水金日は私

火木土はお兄ちゃん

朝に弱い私たちの中で決めた起こす順番のルール

今日はお兄ちゃんの番かと思ったが、起こされた記憶がない

そういえば

至「明日は早めに出るから、真白のこと起こせそうにないな」

真白「別にいいよ、自分でも多分起きれるし」

至「ありがと」

って言ってたな…

とりあえず時間…うわ…

スマホの画面に映し出された時間は、とっくに昼の12時を過ぎていた

オフでよかった……

そのとき、コンコンとドアからノックが聞こえた

いづみちゃんかな…と思って返事をすると…聞こえてきたのは

万里「メシだってよ」

聞きなれて、最近となっちゃ逆に聞きたくなってきていた“元カレ”の声だった

肩から滑り落ちたキャミソールの紐を上げて、ロフトから降りる

ガチャとドアを開け、見上げると無駄にいい顔と目が合う

万里「おはよ」

真白「うん、おはよ」

万里「おい寝ぐせ」

部屋を出てそのまま談話室に行こうとする私に万里が声をかけて、私の髪に触れた

真白「…っ」

まただ

万里「ああ、わりぃ。つい気になって触っちまった」

真白「…ううん、大丈夫」

前とは違ったよそよそしい会話に、心がもやもやした

そんなこんなで談話室

東「おはよう、でもお寝坊さんにはおそようかな」

談話室に着いたとたんに東姉が私をいじる

真白「じゃあ、おそよう」

いづみ「おはよう、今日のお昼ご飯はカレーだよ」

真白「今日はって…昨日もカレーじゃん…」