何と名付けて飾ろうか Ⅱ【摂津万里】 (ページ31)

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花の名前７９ページ31

左京「わかった…お前ら、行くぞ」

そう言って秋組のメンバーは病室を出て行った

万里「で？なんの話がしてーの」

美香「今の私達と、万里について

知っての通り、私は羽月美花。
万里と高校でクラスが一緒で隣の席だった、あの羽月美花。
今はMANKAI寮に住んでて、いづみちゃんの手伝いしてる
寮に来たのは万里に誘われたからだよ」

万里「お前…髪切ったんだな」

俺は無意識に羽月の髪を触っていた

するとその手に羽月は少し驚くと

美香「嫌い？」

と目を細めて言う

万里「さぁ…わかんね」

美香「そっか…」

万里「なあ」

美香「何」

万里「……俺たちって、今付き合ったりしてんのか？」

俺がそう言うと、羽月はピクリと反応した

美香「どうして？」

万里「なんつーか、お前といると落ち着く気がする」

美香「…………付き合ってないよ」

羽月は俯いてつぶやくと

真白「私と万里は付き合ってないよ、ただの友達
落ち着くのはいつも屋上で話してたからじゃない？」

顔を上げて何でもないような笑みで答える

万里「…そうか」

俺は経験したことのない妙な感情にモヤモヤした

あれから数日、殺風景なこの部屋にも慣れてしまった

医師からさっきあと三日で退院だと告げられ、美香が来たら報告しようと思ったとき

コンコンとノックの音が聞こえた

万里「どーぞ」

美香だと思い返事をすると、入ってきたのは

白い部屋に目立つピンク色の髪の女性だった

「万里センパイ！心配しましたよ？」

美香や監督ちゃんよりも高い声が俺に近づいてくる

「あ、そっか、記憶ないのか
私の名前は飛鳥川ここです。モデルとか女優とかやってますね
あと…

私とセンパイは付き合ってたんですけど…それも忘れちゃいました？」

どうやら昨日美香が言っていた話は本当で、俺の思い違いだったようだ

ここの赤い瞳と俺の持っているネックレスの宝石の色を見比べるとよくわかる

それに、ここの胸元にもサファイアがついた指輪が通ったネックレスが光っていた

ここ「センパイ、キスしましょ…？」

ここは俺の顔を覗き込み、キスをせがんでくる

万里「…おう」

彼女ならと、俺はその要望に答えた

なのに

前にしたキスとは違い違和感の波が押し寄せる

いつもは甘く感じるそれが、無味に感じた