何と名付けて飾ろうか Ⅱ【摂津万里】 (ページ30)

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花の名前７８ページ30

え…

ここの発言に身の毛が逆立った

そういえば、ここは万里のことが好きだったって噂で聞いたけど

どこから情報を…

「次の方」

真白「１３号室の面会に来ました」

ー１３号室前ー

………

真白「…」

ノックをしようと手を構えると

ここ「私とセンパイは付き合ってたんですけど…それも忘れちゃいました？」

という声が聞こえた

そのまま話を続ける二人の声を扉越しに聞いていると

ここ「センパイ、キスしましょ…？」

万里「…おう」

その一言で私は絶望のどん底に落とされた気分になった

怒りよりも悲しみと悔しさが募りに募っておかしくなりそうだ…

私はその場から立ち去った

万里side

目覚めて最初に見たのは白い天井

頭いてぇ…と頭を押さえると包帯の感触があるが、怪我をした覚えがない

記憶を掘り返してもいつ怪我したか覚えていない

すると、首に掛かったネックレスが気になった

そのネックレスには指輪が通してあり、指輪にはルビーが埋め込まれていた

やはり見覚えがなく、はずそうと思ったが

その瞬間、激しい頭痛とともに【真白】という文字が頭に焼きついた

数分後

ドアのノックの音が鳴った

万里「どーぞ」

そういうとドアが開き、秋組のメンバーが入ってきた

左京「摂津、調子はどうだ？」

万里「あぁ、頭はいてぇけど他は別に…つーか左京さんが俺の事心配するとか…」

臣「まぁまぁ、大丈夫そうでなによりだな。十座も心配してたんだぞ」

十座「してねぇっす」

太一「無事で何よりっスよ！ね、まっちゃん！」

「あ…うん」

太一が背中を押して俺の前に出したのは

髪が短くなった、羽月美花だった

万里「ん？羽月も来てんのか？」

美香「……え」

いつも屋上で話しているのと同じように名前を呼ぶと、羽月や周りの反応がおかしかった

臣「万里…今なんて」

万里「あ？普通に名前読んだだけだろ」

十座「おい、ふざけてんのか」

左京「おい摂津…俺たちが一番最近やった公演はなんだ」

万里「左京さんもなんすか…ピカレスクっしょ？」

俺が記憶の通りに答えると、先ほどと同じおかしな反応をする

美香「万里、少し二人で話させて」

“万里”、その呼び方に俺は違和感を感じた

いつものあいつなら俺の事を“摂津くん”と呼ぶはずだ

万里「羽月もなんだよ、今日のあんたら変だぞ」