何と名付けて飾ろうか Ⅱ【摂津万里】 (ページ29)

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花の名前７７ページ29

真白「知っての通り、私は羽月美花。
万里と高校でクラスが一緒で隣の席だった、あの羽月美花。
今はMANKAI寮に住んでて、いづみちゃんの手伝いしてる
寮に来たのは万里に誘われたからだよ」

私の言葉を、万里は万里なりに飲み込もうとしているんだろう、一点を見つめながら真剣な顔をしている

万里「お前…髪切ったんだな」

するり、と万里が私の髪を触る

いつもみたいに

万里は私の髪が好きだ。

いつも暇になると私の髪を触ったり遊んだりする。

癖がついていたのだろうか

真白「嫌い？」

万里「さぁ…わかんね」

真白「そっか…」

万里「なあ」

真白「何」

万里「……俺たちって、今付き合ったりしてんのか？」

万里は少し考えこみ、そう問いかける

真白「どうして？」

万里「なんつーか、お前といると落ち着く気がする」

真白「…………」

私は、俯くようにして…

気のせいだよ

そう答える

真白「私と万里は付き合ってないよ、ただの友達
落ち着くのはいつも屋上で話してたからじゃない？」

万里「…そうか」

万里は納得しきっていないような顔をする

すると万里の胸元で光る指輪に気づく

無くしてしまった罪悪感と

[付き合ってない]

そんな嘘をついた後にあのネックレスを見ると

これ以上に押しつぶされそうなものはない、と感じさせられる

そのあとも秋組の皆と最近の事とかいろいろ話していると

窓を見れば外がオレンジ色に染まっていた

真白｢じゃ、そろそろ帰るね｣

万里｢おう｣

ー数日後ー

花音｢真白、今日も行くの？｣

玄関で靴を履いていると、後ろから相方の声が聞こえた

真白｢うん、今日もいろいろ話す予定だから｣

私は後ろを振り返り笑顔を見せる

花音｢…いつかちゃんと言うんだよね？万里くんの記憶がもどったときに…｣

きっと花音が言っているのは、私の嘘のことだろう

あの日、私は万里に私が彼女ではないと嘘をついたことをみんなに話した

真白｢…戻ったら……ね｣

そういい残し、私は寮を出る

ー天鵞絨病院ー

病院付近まできて、ある人を見かけた

飛鳥川ここ…？

病院になんの用事があるっていうのだろうか

私はうっすらそう思いここの次に病院に入る

カウンターの列も後ろだとは思ってなかったけど

相手は私だと気づいてないようだ

次はここの番になった

ここ「１３号室の面会に来ました」