何と名付けて飾ろうか Ⅱ【摂津万里】 (ページ28)

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花の名前７６ページ28

八香「なんの電話だった？」

真白「ごめん、はーちゃん
私ちょっと用事ができちゃったみたいで、埋め合わせは今度絶対にするから」

八香「そっか…じゃあまた今度、次は従姉弟みんなで行こう？」

真白「そうだね、それじゃあお会計は私が払うね」

八香「え…！いいよ！」

真白「大丈夫、けどこんどは割り勘ね」

八香「じゃあ、お言葉に甘えて」

真白「うん、じゃあバイバイ」

八香「うん、バイバイ」

ー天鵞絨病院－

着いた…

病室前に着くと、秋組の皆が居た

真白「左京さん…万里は？」

左京「頭を打って気を失ってたが、今はもう意識は取り戻してるそうだ。」

よかった…

太一「まっちゃんも揃ったし、早く入ろうッス！」

コンコンと二回ノック音を鳴らすと「どーぞ」と聞きなれた声が奥から聞こえてくる

ガチャリと開けば見慣れた愛しい顔があった

私は秋組の皆の後ろに付いていくように入った

この病室は万里のベット以外にもベットはあるが、他のベットは全て空いている

話すにはちょうどいい

左京「摂津、調子はどうだ？」

万里「あぁ、頭はいてぇけど他は別に…つーか左京さんが俺の事心配するとか…」

臣「まぁまぁ、大丈夫そうでなによりだな。十座も心配してたんだぞ」

十座「してねぇっす」

太一「無事で何よりっスよ！ね、まっちゃん！」

真白「あ…うん」

たっちゃんが私に言うと、後ろにいた私の背中を押す様に万里の前に差し出す

万里「ん？羽月も来てんのか？」

真白「……え」

恋人が私の名を呼んだ、いつもとは違う呼び方で

臣「万里…今なんて」

万里「あ？普通に名前呼んだだけだろ」

十座「おい、ふざけてんのか」

左京「おい摂津…俺たちが一番最近やった公演はなんだ」

万里「左京さんもなんすか…ピカレスクっしょ？」

そこで私たちは事の現状に気付いた

秋組は最近銀二の千秋楽を終えた、私も裏方で手伝ったし、ちゃんと客としても見た

どうやらこいつの記憶は、私と万里が高校生の

それも私が寮に入る前までなくなってしまったようだ

私はその事実にくらりとよろけてしまう

真白「万里、少し二人で話させて」

万里「羽月もなんだよ、今日のあんたら変だぞ」

左京「…わかった…お前ら、行くぞ」

そう言って秋組の皆は病室を出て行った

万里「で？なんの話がしてーの」

真白「今の私達と、万里について」